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房総の旅は、いまいずこ(前編)
ここは、東京駅新幹線南改札口、朝11時45分。
バラバラと各地から集まって来た男4人。
それぞれの手には、着替えと手土産の入ったバッグをぶら下げている。
皆笑みを浮かべて、とりとめの無い会話をしながら京葉線のホームへと歩を進めて行く。
4人横並びに座り予定通り、12時02分発の上総一ノ宮行き快速に乗り込んだ。
暫くしてから、人目を気にしながら各自持参したサンドイッチやおにぎりをほおばり、ペットボトルのお茶で口を潤した。
こうして、質素なランチが終了。
上総一宮には、予定通り13時30分に到着し約束通り、ロータリーで待ち合わせしていたTくんと合流し、挨拶もそこそこに彼のワゴン車に乗車した。
そうです。
旅が始まりました。
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参加者をご紹介しよう。
皆、その昔大学で席を同じくした仲間だ。
⭐️Tくん 群馬前橋出身千葉在住 電気工事会社代表 元ビートルズ狂も現在は根っからの職人気質となり、当時の面影は見る影なく変身した。昨年末、50年振りの再会を果たした奇跡の男だ。
今回、彼が住む千葉でも外房に近いエリアを旅することになり、ドライバーとして先導してもらうことになった。
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⭐️ケンちゃん 長野小布施出身 りんご園経営 温厚でいつもにこやかにぺらぺらと喋っている。無類の日本酒🍶大好き男で、酔うと陽気になって舌好調となりカラムのを得意とする。
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⭐️ベップくん 鹿児島大口出身埼玉在住 電子顕微鏡の会社代表 サッカー審判にも従事し1年中忙しくしている。九州男児でとても計算高く、現実的な男である。(本人はまったくそう思っていない。)
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⭐️Oくん 群馬太田出身 元公務員 性格温和で一番大人。皆でガヤガヤ話している間も静かに眺めているタイプ。どうしてそんなに静かにしていられるのか、いつか訊いてみたい。クラシックギター演奏を得意とする。
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⭐️私Eijyo 神奈川在住 個人事業主 旅の取り纏め役。
参加者は以上。
今回、マシンガントークのDくんはお休みとなった。残念。
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前回のじぃじたちの修学旅行記事はこちら。
今回、上総一ノ宮に二次集合してからTくんのクルマに同乗し南下して、名所や酒蔵を周りながら、御宿の宿で伊勢海老を堪能しようという大人の旅なのです。
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ここで外房を南下する前に上総一ノ宮からほど近い匝瑳市で生まれ育ち、現在は別の地で農業に従事されているnoterしおさいさんをご紹介差し上げたい。
🔷しおさいさんのご紹介
奥様のご実家が農家さんだったことから会社勤めから転じて農家に入り大変なご苦労をされ葱を育てて出荷されていらっしゃる方だ。
農業への取り組みや農薬などについて、現業者ならではのご意見を記事にされています。
近頃話題のお米に関する記事含め、特に下記5稿は必見です。
野菜やお米好きな皆さん、必ず目を通して理解深めてくださいね。
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は無限ではない!
いかがですか?皆さん、
普段、口にしている食べ物に改めて感謝し、そして、生産者の方を一緒に応援しませんか!
🔽旅に戻ります
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🔶太東埼灯台
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T :「オヤジ5人で来るような場所じゃないけど、寄っていこう。」
確かに色んなサイトを見ると、恋する2人で訪れる灯台となっている。
まぁ、時には場違いで恋する2人を夢想してみるのもいいだろう。
九十九里浜の最南端に位置するだけあって、眺めはサイコーだ。
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🔶木戸泉酒造
Tくんお薦めの酒蔵だ。
T「よく、ここに買いに来るんだよね。去年年末は一升瓶5本買ったかな?!」
ケン「いいね、いいね。」
呑兵衛が5人集まった。
酒蔵を訪ねるのは、楽しいに決まっている。
皆、ニコニコだ。
各々、手荷物に不便とならない程度のお酒を買い込んだ。
「添加物や農薬、化学肥料を一切使用しない日本酒を造りたい。」
明治12年の創業から時を経て、現在の木戸泉を特徴づける大きな転換期を迎えたのは昭和31年。3代目蔵元の決断により、醸造法を「高温山廃酛」仕込みへと切り替えました。
当時は大量生産が必須の高度成長期。
調味液で量を増す三増酒が大衆のニーズを賄っていた時代に、防腐剤として使用されていたサリチル酸の危険性にいち早く気づき、防腐剤に頼らずとも長期間貯蔵できる酒造りに取り組んだのです。
スローガンに掲げた三代目蔵元の強い想いから、昭和42年には、添加物はもちろん、原料となる米も農薬や化学肥料を一切使わない、自然農法米を100%使用した、自然醸造酒(現在の銘柄名「木戸泉 自然舞」)の製造も始めました。
妥協しない酒造りが素晴らしい。
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🔶|日西墨三国《にっせいぼくさんごく》交通発祥記念之碑
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1609年に当時のフィリピン臨時総督の乗る船が当地岩和田沖の岩礁で座礁し沈没。
泳ぎついた乗組員たちは、地域住民に助けられ保護を受けた。
その数、全乗組員373名のうち317名が救助されている。
フィリピンは当時スペイン領であったこと、後に同じくスペイン領だったメキシコ(当時はヌエバ・エスパーニャ)との交流が始まるきっかけとなった事から1928年に建設されたそうだ。
日本人って優しいね。
江戸時代だと思うのでそんなに裕福ではないと思うけど、これだけ多くの外国人の面倒を看るって大変なことだと思う。
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🔶月の砂漠記念像
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童謡『月の沙漠』は御宿の海岸がモデル。
大正から昭和初期に叙情的な挿絵画家として人気を博した加藤まさをが現在の講談社発行の雑誌「少女倶楽部」に1923年(大正12年)に発表した、詩と挿画からなる作品である。
これに、当時まだ若手の作曲家であった佐々木すぐるが曲を付けたことで、童謡としての「月の沙漠」が生まれた。
童謡の普及活動もしていた佐々木すぐるは、自ら主催する普及のための講習会で同曲を用いた。
また佐々木は教育現場での音楽指導用の教本として『青い鳥楽譜』と呼ばれる楽譜集を出版しており、童謡としての「月の沙漠」もその中に収められている。
これまた、ロマンチックな場所に相応しくない軍団だ。
景観を損ねるので、そこそこにして宿へ急ごう。( ´艸`)
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🔶宿 御宿「海楽」
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9月1日からの伊勢海老祭りに合わせて、この宿に決めた。
到着するなり、ぞろぞろとお風呂に入り疲れを取ることに。
そうこうしている内に夕食の時間だ。
伊勢海老の調理方法をお願いする。
刺身3人、焼きが2人と好みの意見が別れたがこれにてお願いをする。
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出来上がるまでの間、呑兵衛が揃えば、ワイワイガヤガヤ、近況の話やら孫の話やらをしながら急ピッチでお酒が進んでいく。
……………………
おお~っと、気がつけば夜も10時だ。
おネムになったのが3人。
ケンちゃんと私だけが、まだまだ元気に酒盛りを続けている。
E「ケンちゃん、ぼちぼちお開きにしようや。」
ケ「そうだね、寝るとしよう。お~い、皆、寝床に行くよー。」
皆ふらふらと立ち上がり、蒲団が敷かれた部屋へ。
ここでひとつ課題が残されていた。
2人部屋と3人部屋へと別れなければならないのだが、
大イビキ発生装置が内臓されているのが1名(ケンちゃん)。
これは、民主主義に則ってじゃんけんで部屋決めだ。
ジャンケン✊✋✌️ポン
犠牲者が決まった。
ベップくんだ。
べップ「うへ、負けちゃったよ。お手柔らかに頼むね。」
ケン「お手柔らかに、と言われてもなー、調整出来れば良いんだけどさ。」
ベップ「わかった、わかった、布団被って寝るよ。」
寝付いてしまえばこっちのもんだ。
皆、そう思ったはずだ。
ところがどっこい、床についてまもなく地響きが始まった。
部屋を分けたの意味ないじゃん
「朝の来ない夜はない」と言ったのは、文豪らしいけど、すぐにでも朝がやってきて欲しい。
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こうして、要らないBGMを耳にしながら、うつらうつらしていたら朝がやってきた。
(前編おわり)
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