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「浜離宮」と「国宝 迎賓館赤坂離宮」を訪ねて
小布施からの友人K氏夫妻を招いて、私ら夫婦と4人で東京、横浜を巡る1泊2日の小旅行を計画した。
K氏は大学時の同窓生で、除草剤、化学肥料を使わない減農薬に拘って30年以上、リンゴ、ぶどうを育てている家族経営の農家さんだ。
長野県エコファーマー(長野ー919)の認定を受け、長年、株式会社として農産品だけでなく、ジュースやジャムの販売も行い、直近では京都リッツカールトンの朝食にジャムが採用されるなど、地道に経営基盤を固めている。
奥さんのM代さんは、学生時代にオーストラリアに長期ホームステイした経験を生かし、シンガポール、ハワイなど海外商談へ単独で出かけるなど、とてもアクティブな方だ。
この2月もK氏夫妻は、オーストリア、チェコの旅を終えてきたところ。
ハウスブルク家やオペラ鑑賞など中身の濃い旅を愉しんできたばかりだ。
今回、K氏夫妻の希望を優先し、行ってそうで行けてない場所に絞り、1日目は都内を数ヶ所周り、夜は横浜でディナークルーズとシャレ込み、仕上げは野毛の呑み屋街で初日の打ち上げ予定。
翌日は、日本最速エレベーターがあるランドマークタワー展望台、横浜三塔、時間があれば他も巡る予定だ。
浜離宮恩賜庭園
(所要時間1時間30分)
東京駅でお二人をお出迎え、挨拶もそこそこに早速出発。
新橋からゆりかもめで汐留駅にて下車。
改札出て左前方に日本テレビ本社の壁面の大時計に目がいってしまい、いきなり寄り道、、、。
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googlemapを頼りに浜離宮の入場口を目指す。
クルマでは近くを何度も走っているのに、徒歩で向ったことがないので少し戸惑うも、どうにか到着。
大手門付近にはツアーバスのヨーロッパ系外国人観光客であふれていた。
一先ず、記念撮影をパチリ。
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GYMで鍛えた体形がこれではわからない(笑)
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・三百年の松
入場すると、左手に3百年の松がど~んと横たわる様に鎮座している。
見事な枝ぶりというか、歴史を物語る雄大な松の木だ。
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画面に収まりきらない大きさ
少し進むと、菜の花畑が目に入る。
多くの撮影する人の姿があった。
春の菜の花は、ほっとして心和む光景だ。
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梅の残り花が可憐に頑張って咲いていた。
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続いて、歴代の将軍が船でお成りする際に使われた場所である。
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・鴨場
庚申堂鴨場は、3mほどの土手で囲まれた小覗きから板木をたたいておびき寄せたり、稗、粟の餌やり、アヒルをおとりにして、鷹狩りしたり叉手網を使って掬い取ったりする猟を行っていたようだ。
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ここで板木をたたいておびき寄せ、小窓から鴨の様子を伺っていたようだ。
銃でドンではないので古風で奥ゆかしくて、何か和む。
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これで隙をみて鴨を捕らえていた。結構ワイルド!
・御茶屋
将軍たちは、「御茶屋」で賓客と食事したり、調度品の鑑賞をしたり鷹狩りの休憩をしたりと楽しい時間を過ごしたようだ。
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左:松の御茶屋 中:鷹の御茶屋 右端:燕の御茶屋
・鷹の御茶屋
鷹の御茶屋では、鷹匠が待合や休憩に使っていた。
建物の裏には、鷹の待機場所である「鷹部屋」も用意されていた。
兎に角、将軍が心置きなく鷹狩りが楽しめるよう贅が尽くされていたようである。
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「鷹の御茶屋」の動画
https://www.tokyo-park.or.jp/special/pickup/takano_ochaya.mp4
・中島の御茶屋
燕の御茶屋の手前から臨む「中島の御茶屋」
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お手伝い橋を渡り、中島の御茶屋に到着。
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海外からのお客さんが陣取っていて、折角の風景を味わえず。
残念無念!
一通り主要なエリアは回れたし、お昼時間になったので、浜離宮を後にして、築地市場跡周辺で昼食を取ることにした。
自称『晴れ男』なので、風は時折強かったが気持ち良く巡ることが出来た。
一番は、普段行けてそうで行けてない場所なので、このような機会を作ってくれたK氏夫妻に感謝である。
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浜離宮の大手門を出て、10分も歩けば、築地市場跡。
さらに歩を進めると、通路の両サイドには外国人中心に食を求める人達でいつものようにごった返している。
そこでK氏夫妻に尋ねた。
私:「この状態なのでここで食べるの避けようと思うのだけど、どうかね?」
K夫妻:「全然ぜんぜん、お任せでお願いしますよ。」
私:「築地本願寺を超えたところにある 『すしざんまい』 にしましょう。あそこなら、そんなに待たずに食べれると思いますよ。」
K夫妻:「いいですね、そこにしましょう。」
本来、ここで築地本願寺をきちんと参る予定だったが、その後の迎賓館赤坂離宮の観覧時間が迫ってきてしまうので、仕方なく正門からチラ見だけ立ち寄ることとした。
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さあ、おヒルにしよう!
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先客が4組並んでいる。
ものの10分も待っただろうか?すぐに入店できた。
迷わず、すぐ食べられそうな海鮮ちらしセットをオーダー。
待つこと10分足らずで、テーブルに提供された。
私「どうですか?」
K氏の奥さん(M代さん)
「私たち海なし県だから、とーっても美味しい。」
私と家内:「良かった、喜んでもらえて。」
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こうして食事を終えると、10mほど本願寺側に戻ったところにある日比谷線築地駅降り口から改札を経て銀座経由で丸の内線で四ツ谷駅へ。
改札を出て、迎賓館赤坂離宮へ向かおうとすると、同じ方向へ向かう老夫婦がすれ違った人に道を聞いている。
我々も同様に、話の輪に入ると、老夫婦はどうやら予約してきたようだ。
K氏:「予約が要るみたいだよ。」
私:「え~、多分大丈夫だと思うよ。」
K氏の奥さんM代さんが老夫婦に話しかける。
M代:「どちらからおみえになったのですか?」
老夫婦:「兵庫からです。」
M代:「そうですか、結構遠くから。私たち夫婦も長野からなんですよ。こちらのお二人はお近くなんですけどね。」と私たち夫婦をさして返答した。
その先の横断歩道が赤信号、たまたまそこに居合わせた人に老夫婦が迎賓館への入り口を尋ねている。
M代さんが先頭切って、その見知らぬ人X氏に尋ねた。
「私たち予約なしで来たのですが、入れますかね?」
X氏:「予約なしでも大丈夫ですよ。」
正直、ほっとした。
予約なしで入れるとはネット検索で知ってはいたが、これで入れないなんてことになったら、目も当てられない。
歩道を渡ると、X氏は老夫婦と歩調を合わせて道案内している。
我々もついていくと、X氏も迎賓館の中へ。
どうやら、迎賓館の職員だったようだ。
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国宝 迎賓館赤坂離宮
(所要時間2時間)
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注:ここは入館口ではない。
正面玄関に向かって右手に回り、一般者入場口に。
入場する前に厳重な所持品チェックがある。
20代になりたてと思しき女性から、金属類を全て置かれているブラスチックトレイに出すよう指示され、所持する液体も口にするよう命じられる。
従うままにお茶のペットボトルを我々夫婦共々、口に入れる。
検査員の女性:「危険物でないかを確認するため、皆さん口に入れて頂くのです。」
喋り慣れてない口調だが、無表情で言うことはキツイ。
淡々と、、、もう少し笑顔で出来ないものか?
と思いつつ、仕事柄そうも行かないのだろう。
場所が場所だけに厳重警戒が敷かれているわけだ。
ナットク!
館内は一切撮影禁止とされているので、配布されたパンフレットを元に進めるので、写りが悪いのはご容赦頂きたい。
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白・黒のツートン部分は白がイタリア産大理石、黒が宮城産玄昌石使用。
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創建時にフランスから輸入のシャンデリア、椅子が配置。
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10枚の大鏡、マントルピースと大鏡の上には金色に輝く「鸞」のレリーフが。
鸞は古代中国の想像上の鳥で国が平和に栄えている時に現れると言われている。
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晩餐会が催される場所。
大型の七宝焼きが30枚、壁に飾られている。
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歓迎式典、晩餐会の時の食前酒をふるまう場で演奏会も行われる。
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本館は、1909年東宮御所として日本で唯一のバロック様式の宮殿として誕生。
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28人の修復家が25ヶ月の歳月をかけて、天井画、カーテン、緞通を修復させた。
館内の荘厳な作りや装飾品をお見せできなくて残念ですが、百聞は一見にしかずで訪問されることお薦めします。
本館を出て南側から全体像をパチリ。
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左からEijyo、K氏、M代さん
知らない間に家内が撮影していた( ´艸`)
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重厚にして華麗なフォルムだ。
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夜間営業時、このように建物が浮き上がるようだ。
途中を端折った関係で、少し時間に余裕ができた。
早目に横浜に向かい、チェックインすることにした。
さあ、その後は馬車道まで向かい、いよいよ夜景を眺めながらディナークルーズだ。
前編はこれに終了。
続いて、後編は横浜編です。
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