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全7か国の外国人が活躍中!3施設の施設長が語る「グローバル人材の受け入れ」のリアル

こんにちは、EIJUSOグループ代表の永嶋です。

現在、EIJUSOグループでは38名の外国人職員が活躍してくれています。2019年4月に留学生を受け入れ、2020年には技能実習生の受け入れを開始。ベトナム、中国、ミャンマー、ネパール、スリランカ、フィリピン、アメリカと多種多様な国の方が働いているのが特徴です。この3月にはミャンマーからの技能実習生12名が加わっています。

こうした受け入れ態勢ができた背景には、留学生を受け入れる前、2017年8月にフィリピン人を採用した経験がありました。

今回は、外国人職員が働いている高齢者施設の施設長3名に、受け入れ前の不安や準備、実際に働いてみてどのように感じているのかをお話してもらいました。外国籍の方を職場に受け入れることにハードルを感じている方の何かしらの参考になれば幸いです。

グループ初の外国人人材を採用。―今羽の森施設長 髙橋さん

―外国人の方を受け入れたきっかけ、理由は?

こんにちは、今羽の森の髙橋です。今羽の森は、EIJUSOグループで初めての外国籍の方となるフィリピン人の方を受け入れました。入られたのは2017年で、今も活躍してくれています。

彼女を受け入れたのは、彼女の行動力でした。お子さんが通う学校の近くに働ける特養がないかスマホの地図アプリで探して出会ったのが、今羽の森だったのです。

突然「働きたいんです」とやってきた彼女の第一印象は、はつらつとした明るさでした。すでにヘルパー資格も持っていて、にこにこと笑顔でやってきた彼女を断る理由はありませんでした。

「できる限りでいいので履歴書を書いてきてもらえますか?」とお伝えしたところ、丁寧な文字で書いてきてくれました。日本語は片言でしたが、近くにある住宅に引っ越して来られ、慣れない土地で臆せず門戸を叩き、「働かせてほしい」というその行動力は本当に素晴らしいと今でも思います。

―受け入れにあたっての不安、受け入れるために行った工夫は?また、受け入れ後、施設に変化はありましたか?

特に大きな心配や不安はありませんでしたが、当時は外国籍で日本語が得意ではない方向けのマニュアルが何もなかったため、言葉の壁が心配ではありました。

ただ、私から何か支持を出す前に、彼女が属したユニットのリーダーや職員たちが自発的に既にあったマニュアルにローマ字のフリガナを打ってくれるなど、現場で工夫してくれましたね。

介護職につく日本人は控えめなタイプの方が多い傾向にあるため、彼女の底抜けた明るさが施設全体を明るくしてくれていると感じます。表情やボディーランゲージが豊かで、歌ったり踊ったりといった彼女らしさは、私たちにはない明るさだと感じます。

職員間の関係性も良くなったなと感じますし、利用者の方たちも彼女の明るさを喜んでくれているなと思いますね。ユニットの雰囲気を良くしてくれる存在です。またプライベートでも職員たちと一緒に遊びにいくこともあるそうですよ。

初の留学生を受け入れ。―ご福あげお施設長 杉浦さん

―外国人の方を受け入れたきっかけ、理由は?

ご福あげおの杉浦です。ご福あげおでは、2019年1月ごろに留学生受け入れの話があり、その4月にスリランカ人の男性2名・女性1名を受け入れました。

県内の介護福祉養成校から、留学生のマッチングのお話を聞いたのが外国人採用をチャレンジするきっかけになりました。埼玉県社会福祉協議会では、介護福祉士就学資金貸付の制度があり、留学生もこの制度を使って介護福祉養成校に進学を計画しておりました。法人が就学資金貸付の保証人となり、学生の期間中は法人内の施設でアルバイトとして就業いただき、卒業後は条件があえばそのまま正職員として就職していただくといったものです。
介護福祉養成校を卒業後、1年以内に介護福祉士の登録を行い、その後、埼玉県内の社会福祉施設で5年間就業すれば、貸し付けられた、就学資金の返還が免除となり、留学生にもメリットの多い制度になります。

日本に留学してくる方は優秀な方が多く、ご福あげおに入った3人も語学力含め優秀な方です。学生時代には日本の居酒屋でアルバイトリーダーを務めていたことがある方もいます。今は学校を卒業後、正職員として働き始めて3年が過ぎたところですね。

―受け入れにあたっての不安、受け入れるために行った工夫は?また、受け入れ後、施設に変化はありましたか?

以前、高齢者の方から悪気なく差別的な呼ばれ方をされたケースがあったため、今回もそうしたことが起きないかが懸念ではありました。しかし、彼らが気遣いのできる笑顔が素敵な愛嬌ある人柄だったこともあってか、特にそうした問題は起こりませんでした。

工夫としては、施設内で比較的面倒見のいいリーダーのいるユニットにしたことくらいでしょうか。ただ、そこまでしなくても実際には困らなかったかもしれません。すぐになじんでくれ、入社1年後には日本人職員から「あの3人はすごい」とリスペクトされる存在になりました。

技能実習生を初めて受け入れ、今や多様な文化が共存する環境へ―扇の森施設長 渡邉さん

―外国人の方を受け入れたきっかけ、理由は?

扇の森の渡邉です。扇の森は、技能実習生を始めて受け入れた施設で、サテライト施設と合わせてベトナム人7名を2020年に受け入れました。

今羽の森のフィリピンの方、ご福あげおのスリランカの方は、いずれもEIJUSOグループに入る前に日本での生活経験がありますが、技能実習生は日本で暮らすことからのスタートになります。生活面でのサポートも必要とされるのが、技能実習生受け入れの特徴です。

―受け入れにあたっての不安、受け入れるために行った工夫は?また、受け入れ後、施設に変化はありましたか?

すでに留学生の受け入れは行っていましたが、ベトナムの方の受け入れは初めてでした。私の勉強不足から勝手にベトナムを発展途上国としてイメージしていたため、苦労するのではと思っていたのですが、実際にきた方たちはスマホを使って日本の情報を自分たちで調べていて、思っていたよりもすんなり日本文化になじんでくれたように思っています。

留学生を受け入れる前も、特段身構えて用意をした記憶はありません。職員たちがわかりやすく表示をつくってくれるなど、自発的に工夫してくれていました。

実習生の受け入れ時も、生活基盤をつくるサポートをしたくらいで、あとは特別何かをしたという感じはないですね。職員たちに「労働力としてではなく、技能実習生として技術を学んで母国に活かすためにくる人たちですよ」と伝えたくらいだったと思います。

彼らには学ぶ姿勢がすでにあるので、不安を感じずに受け入れれば大丈夫だと思いますね。手取り足取りしすぎず、彼らがわからないといってきたときにサポートすればいいのではないかと思います。

道端でご近所の方と話す姿が見られるなど、地域にも馴染んでくれています。ふれあいサロンでベトナム語講座を開いてくれるなど、活躍してくれていますね。

施設長が語る「外国人を受け入れる際に知っておきたいこと」

―外国人人材を受け入れる上で、何か気を付けておくべきこと、知っておくべきことはありますか?

髙橋:文化の違い、当たり前とされるルールの違いがあるため、直面したときに一つ一つ丁寧に教えることが大事ですね。私が経験したなかには、捨ててあった粗大ごみを「これがほしい」と持ってきてしまったという事例がありました。これも彼らの国では是とされていたからしたことなので、「日本ではダメなんです」と伝えましたね。

また、ベトナムでは村の人みんなを「きょうだい」と捉えるらしく、「親族の結婚式だから休みたい」と急に言ってきたとき、その「親族」が本来の「親族」ではなかったというケースもありました。横のネットワークが日本人以上に広いんですよね。

あとは交通ルールも異なるため、歩道を自転車で走行していてお巡りさんに声をかけられるといったこともあります。警察官に変に誤解されないよう、「何かあったらうちの職員だと説明するから、施設に電話していいよ」と伝えています。

杉浦:外国人同士のネットワークは確かに強いです。そのネットワークで私以上に制度に詳しかったりしますね。

謙虚な方が多かったこともあってか、外国人だからという苦労はしませんでした。ただ、コロナ禍で外出自粛の要請をしていた時期には、気にせず外出していて感染してしまったということはありました。これも文化や捉え方の違いから起こったことで、理由を説明すれば理解してもらえましたね。

渡邉:日本の生活と大きく違わない文化の国の方から受け入れを始めたことが順調に進められた理由かもしれません。生活にも違いが生まれるため、宗教には少し気を遣いました。

うちで起こったのは、「安く送金できる」とネットワークで知り合った人に言われ、騙されてお金を取られてしまったというケースです。他法人の技能実習生とも繋がっており、そのコミュニティ内で何をやりとりしているのかまで私たちが把握できるわけではないので、そこは怖いところです。

あとは住まい問題ですね。外国人に部屋を貸してくれないオーナーが多いので、早めに動く必要があるのですが、早く動き過ぎると無駄に家賃が発生してしまうので、そのあたりのタイミングが難しいです。

―最後に、何かお伝えしたいことはありますか?

髙橋:日本人の採用と同じく、ご縁だなと思います。特にうちに入ってくれたフィリピン人の女性との出会いは本当にたまたまで、彼女がきたときに私が事務所にいなければ近隣にある違う施設に行っていたかもしれません。出会った人を大切にするのが基本かなと思います。

―ありがとうございました!

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