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#8 私の専門

大学では政治経済学部経済学科に所属していたものの、当時の大学生あるあるで、ほとんど授業にも出ずに、専門性らしきものはほとんど身に付けず、社会に出てからは、まずは地方公務員として働き始めました。

「法律による行政」という言葉どおり、公務員は、基本的には法律に対する理解が求められる仕事ではあるのですが、他方で、企業誘致や観光誘客、移住・定住促進など地域間で競争優位が必要とされる領域が拡大しつつある時期で、この領域であれば、組織内でUnique Positionが築ける可能性が高いと考え、Harvard Buiness Reviewを定期購読するなど、ビジネスの理解に努めていました。

ただ、大学での不勉強がたたり、「地域経済を如何に活性化するか」「地域を如何に振興するか」という課題に対する処方箋を自ら書くことができなかったため、自分の不甲斐なさを恥じたこともあります。

その反省を活かして、自らの過去の怠慢を清算すべく、2地元大学にできて間もない社会人大学院コース(修士課程)に進学をすることに決めたのが2006年の30歳の時。

当時は、地域経済や地場産業に関して地域経済論や競争戦略論からアプローチする研究をしていました。

地方公務員としてのキャリアも、海外ビジネスや産業振興、航空・空港政策を中心とするビジネス領域で、かつ、難易度の高いプロジェクトにアサインされて、結果を出してきたと自負しています。

そんなキャリアを歩んでいたので、公務員としてのキャリア20年目を迎える節目のタイミングで民間企業(創業7年目の中堅航空会社)に転職する当たっても、自分自身の能力やスキルに疑いはありませんでした。

航空会社での2年7ヶ月のキャリアを経て、そこから更に転職して、今はマーケティング会社でキャリアを積みながら2年4ヶ月が経ったところです。

前職でも、現職でも、更に言えば、元職でも、私のキャリアに一貫していることは「地域課題や社会課題を私自身の力でどうやって解決するか」にこだわり続けています。

そのために、必要な知識やスキルを習得することは惜しまないし、更に言えば、それを実現するためのネットワークやエコシステムを構築するための人間関係構築も積極的に行っています。

そして、それを私自身の経験やノウハウという、再現性のない暗黙知にしておくのではなく、知識科学(Knowledge Science)に基づく体系的な形式知として、知識を創造・共有・活用する道を模索しています。

それが今の大学院で学んでいることであり、所属している研究室でも、私が実務で壁を感じていた、下記のテーマを研究している研究生が多数います。

  1. ウェルビーイング・マーケティングの研究

  2. 組織的知識共有の研究

  3. 組織的未来リテラシーの研究

  4. 持続可能性とサービスシステムの研究

私自身は、被災地の創造的復興に向けて、コミュニティが回復・適応を図る能力である「コミュニティ・レジリエンス」について、現在、研究に取り組んでいます。

それ以外にも、ニホンミツバチの養蜂によるサーキュラー・エコノミーやサービス・エコシステムの形成についても、こちらは個人的な実業を通じた取組を進めています。

仕事ではデータを活用して、地域観光DX、カーボン・ニュートラルやヘルスケアなどの領域で自治体や企業など多様なアクターとの価値共創エコシステム形成に取り組んだりしています。

こうやって書くと、本当に「何が専門なのか?」ということが曖昧になるのですが、先に書いたように、地域課題や社会課題を解決するために、利用できる知識や理論、ネットワークは全て利用するという、マキャベリズム的思考をもった「フィールド・サイエンティスト」と御理解いただくのが早いのかなと思ったりします。


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