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おもいのかたち

僕が扱う商品をお客様に届ける際は、なにかしらの"おもいのかたち"を添えさせていただくようにしています。
「et.bolero」と、古布に一文字ずつ手押しで印を押して、少し言葉を綴ります。和紙に添える時もあります。


それはオンラインで購入していただく方に、少しでも愉しんでいただけたらという思いからですが、
古物の魅力は、なんといっても現物から漂う唯一無二の迫力にあると僕は感じています。
市出店を続けるのも、直接見て触れて、なにかを感じてもらうことが大きな理由です。

「こうして飾られて見ると、もの自体はかっこいいのに、持ち帰ると、なんかなぁ〜…と浮いてしまうんですよね」という声をたまに聞きます。
たしかに、その世界観で作り込まれた空間に映える古物の魅力は、日常生活に馴染みのないように芸術作品のようにも思えます。
ただ、僕は何気ない日々の風景こそ、古物の魅力に溢れていて、それを感じてほしいなぁと思うのです。

壮観な山々は遥か昔何千年前の、いわば古物。
夜空に光る星も、遠く何億年の、いわば古物。
そこらに落ちている石ころだって、あの山が削られて長い旅を経てここにある古物。
そういえば、幼いころ、「ただかっこいいから」「なんとなくかわいいから」という理由で、石ころを拾い集めた経験がある方は少なくないのでは…?


都市部に住んでいたころは、なかなかそういった自然を目にする機会が少なかったですが、この地に移りきて以来、「自然」と「古物」の魅力はやはり身近にあるのだと、ひしひしと感じています。

最近ついに始めてしまったゼルダの伝説(ティアーズオブザキングダム)の世界観に浸って、ますます魅力的だなとワクワクする毎日です。(みなさまもぜひ。笑)

街中にあるガードレールや外壁の"錆"も、自然の経年変化を愉しむにはもってこいの風景です。
"自然にさらされて時を経る"。ここに想いを馳せるとき、忙しない日常に少しだけゆとりが生まれるような気がします。


毎日の天気もまた、二つと同じ姿のない、自然の芸術です。どこにいても、いつでも、愉しもうと思い観れば、世界は美しいものに溢れています。

汚い錆も、ボロボロの布も、
観ようによっては「時」や「自然」を愉しむ頼りとなります。

僕の活動を目にしたとき、
僕の商品を手にしたとき、
それを通じて、ふと「日常の景色を観直してみようかな」となるような、そんなきっかけを創れたらいいなと思っています。

生老病死、えもしれぬ不安や葛藤に覆われる日々。
でも物語は順調にいくよりも苦境から始まる方がおもしろいのだと知りました。(ゼルダのおかげ)

いろんな人生がある。いろんな物語がある。
今年もたくさんの出逢いに恵まれました。
縁してくださった方にあらためまして、
ありがとうございます。

来年も、このいのちを愉しみながら僕らしく生きます。よろしくお願いします!
みなさま、佳いお年を☀️

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