羽生九段の活躍とTHINK AGAIN
こんにちは、タカです。
『THINK AGAIN』
アダム・グラント 著
(三笠書房)
という本を読んでいます。
成功する人、
達成する人、
世の中を変えていく人、
そんな人達が
どんな思考で
どんな行動を取るのか?
についての
組織心理学の専門家による
研究です。
これがとてもいい本で、
本当にアダム・グラントの著作は
学びになることが多いですね。
そこで先日、
将棋の
藤井聡太王将と
羽生善治九段による
王将戦のタイトル戦が
行われていますが、
今季の羽生九段の活躍を見ていますと、
この本で言われているような
思考法、行動を取っているので
驚きです!
なので
記事にて取り上げていきたいです。
王将戦第二戦
1月21日、22日に
王将戦の第二戦が行われました。
藤井王将に羽生九段が挑む
今シリーズですが、
両者の通算対戦成績は
藤井王将の1勝8敗で、
羽生九段が大きく負け越しています。
まさに、
羽生九段が
強敵に挑んでいる状況なのですが、
こちらの第二戦は
見事に羽生九段が勝利し、
巻き返してきました。
将棋界の歴史に名を残す
タイトル通算獲得数99期の
羽生善治九段。
そして、まさに今、
将棋界の歴史を変えている
藤井聡太竜王との
タイトル戦。
まさに世紀の一戦。
将棋ファン待望の
タイトル戦といっても
過言ではないでしょう。
しかし、
順風満帆に活躍して見える
羽生九段も、
実は、
苦しい時期も見受けられました。
負け越しだった21年度
羽生九段というと、
最強棋士との呼び名も高いです。
一時期は
当時の、七つすべてのタイトルを獲得し、
永世七冠記録を持っています。
将棋界においても、
歴代最多タイトル獲得数、
歴代最多勝利数、
などの記録も持っています。
しかし、
そんな羽生九段でも、
近年はタイトル戦から遠ざかり、
若手の新進気鋭の棋士に
負けることも増えてきました。
21年度は、羽生九段が
自身初の
年間勝敗が負け越しと
なってしまいました。
(それだけ活躍してきたこともすごいことですが)
将棋の名人を決める
順位戦でも
最高ランクのA級から
B級1組へ陥落。
これが羽生九段、
29期ぶりのB級陥落でした。
かつての羽生九段の
成績や活躍から考えると、
苦しいシーズンに見受けられます。
プロも時代や年齢には勝てないのか
将棋界では、
高齢の棋士の方々が、
若手の棋士に負けて行く姿を
見ることがあります。
新しい戦法、戦術、
時代によって変わる棋風、
研究によって
新たな対策の発見、
などなど。
新しい将棋界の
変化についていけないのか。
対応に追われてしまうのか。
私は、将棋などの知的競技は、
これまでの経験や知識などが
積み上がってくるので、
ベテランの方々は
とても強くなるのではないか。
などと素人考えで
思ったこともありましたが、
現実、
そううまくは行かないようです。
今まではこれが良い、
とされてきた戦法などが
対策の発見などにより、
反対に、不利になってしまったり。
これまではこうすべき、
こうあるべきだ、
とされてきた将棋の形や考え方が、
それでは勝てない、
そうしては負けてしまう。
と変更を余儀なくされたり。
これまでの常識や知識が
だんだんと時代の変化によって
通用しなくなってしまうのですね。
余談ですが、
アダム・グラントの別著
『ORIGINALS』
においても、
プロのブリッジ・プレイヤー
(トランプの競技)
において、
ルール変更がなされた際に、
一番戸惑い、
状況に対応できなくなってしまうのが
ベテランのプレイヤーである。
若手や素人の方が
対応している。
という一節がありました。
それくらい、
今までの習慣、常識、知識、
考え方、価値観、行動、
などなど、
今まで当然のように
やってきた、自分の思考や行動を
変えるというのは難しいものなのです。
私も何事も三日坊主などで
終わってしまうことが多いので、
身をもって実感しました(笑)
自分を変えるTHINK AGAIN
さて、やっと
本題に入っていきますが、
アダム・グラントの本です。
『THINK AGAIN』
シンク・アゲイン、
再び、考える。
「再考」ということですね。
考え直すこと、
やり直すこと、
見つめ直すこと、
考え続けること、
学び続けること、
これがいかに大切なことか。
そしてそれが、
いかに難しいことなのか。
それについて分析されている本です。
できているようでできていない。
人間というのは、
いつも間違い、
知らないこと、至らない所があり、
同じミスを繰り返してしまう。
そういうものなんですね。
それをいかに変えていけるか、
どうしたら
改善していけるのか。
思考法や行動方法について
書かれているので
とても有益な本です。
そして、
それはまさに
将棋にも人生にも当てはまる。
変化し続ける羽生九段
21年度は不調にも見えた
羽生九段ですが、
そこから22年度は巻き返してきました。
タイトル挑戦者を決める
王将リーグを全勝で飾り、
藤井王将への挑戦権を獲得しました。
そして難敵である藤井王将にも
一勝を返して、イーブンに。
これからの活躍も
楽しみですね!
その羽生九段の
活躍の裏には、
新しい試みがありました。
横歩取り、
など新戦法の取り入れや
将棋というと
今はAIが旺盛ですが、
そのAIのソフトを変えたり、
研究への取り組み方、
AIの取り入れ方を
今までとは
変えていったそうです。
一部参考:棋士中村太地将棋はじめch
また、現在将棋界最高タイトルである
名人位を持たれている
渡辺明名人も、
かつては
神童・中学生棋士として
プロデビューを飾り、
その後、
竜王などのタイトルを獲得していくのですが。
年齢や時代の変化によって
順位を落とし、
タイトルも失っていった時期がありました。
しかし、
その後AIを導入して
研究環境を一新し、
自らの棋風や将棋の内容など
価値観を一新していきました。
今までとは違う
戦法を選択したり、
戦い方をガラッと変えたりし、
A級に復帰し、
順位戦も勝ち上がっていき、
初の名人獲得から、
今では名人連続防衛なども
成し遂げています。
羽生先生と同世代の棋士の方々が
苦戦を強いられていたり、
順位戦など、
一度落ちていくと
どんどんと
落ちていく姿を見てしまったり。
どうしても、
過去にうまくいったり
活躍していたりすると、
これで自分はうまくいったのだから。
こうして結果を出してきたのだから。
自分はこうやるのが合っているから。
だからこのままでいい。
このまま頑張ろう。
これが一番いいやり方だ!
などと突き進んでしまったり、
自分を変えようとしなかったり。
そうした、
過去の自分にしがみついて、
なかなか自分を変えられない、
やってきたことを
改められないものです。
あなたも
思いあたる体験が
一つや二つあることでしょう。
(私はいっぱいあります……)
まとめ:再考し、前に進む
しかし、
それでは前には進めない。
時代は刻一刻と常に
動いています。
変化を繰り返しています。
それに対応していくには、
再考、
ときには、
自分を変えていく必要があるのですね。
突き進むよりも、
考え直す。見つめ直す。変えていく。
そんな努力が必要なのですね。
それを教えてくれる本であり、
また、
こちらの本を読んでから
羽生九段の活躍などを見ると、
成功されている方は
みんな自分を変える努力を
裏でされているのだ。
と気付かされました。
ぜひ、
仕事でも、人生でも、
良くなりたい!
成功したい!
と思ったら、
読んでみてください。