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【立入禁止シリーズ】バッキンガム宮殿 女王の寝室の魅力
はじめに:バッキンガム宮殿と立ち入り禁止の魅力
バッキンガム宮殿の概要と歴史
2.1 宮殿の成り立ちと変遷
2.2 現在の役割と規模
一般公開エリアとその限界
3.1 ステートルームと夏季公開
3.2 公開されない理由とは?
女王の寝室:立ち入り禁止エリアの核心
4.1 寝室の位置と構造の推測
4.2 歴史的な逸話と寝室の役割
4.3 1982年の侵入事件とセキュリティ強化
立ち入り禁止エリアの神秘性
5.1 王室のプライバシーと伝統
5.2 他の立ち入り禁止エリアとの比較
もし女王の寝室が公開されたら?
6.1 想像される内装と雰囲気
6.2 観光への影響と課題
おわりに:見えないからこそ惹かれる魅力
1. はじめに:バッキンガム宮殿と立ち入り禁止の魅力
バッキンガム宮殿と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか?衛兵交代式の華やかな行進、正門前のヴィクトリア記念碑、あるいはロイヤルファミリーがバルコニーで国民に手を振る姿だろう。しかし、この壮麗な宮殿の内部には、一般の目には決して触れることのできない「立ち入り禁止エリア」が存在する。その中でも特に興味深いのが「女王の寝室」だ。そこはエリザベス2世が生前プライベートな時間を過ごした場所であり、現在はチャールズ3世が引き継ぐかもしれない空間でもある。この記事では、バッキンガム宮殿の歴史や構造を概観しつつ、女王の寝室をはじめとする立ち入り禁止エリアに焦点を当て、その神秘性や背景を探っていく。なぜ私たちは見えない場所に惹かれるのか、その理由も一緒に考えていきたい。
2. バッキンガム宮殿の概要と歴史
2.1 宮殿の成り立ちと変遷
バッキンガム宮殿の歴史は、1703年に初代バッキンガム公ジョン・シェフィールドが私邸「バッキンガムハウス」を建設したことに始まる。当初は王室とは無縁の建物だったが、1761年にジョージ3世が王妃シャーロットのために購入し、「王妃の家」として改修が進められた。その後、ジョージ4世の時代に建築家ジョン・ナッシュの手で大規模な拡張が行われ、1837年、ヴィクトリア女王の即位とともに公式の王宮としての地位を確立した。以来、バッキンガム宮殿はイギリス王室の象徴として、現在に至るまでその役割を担っている。
宮殿の変遷には、数々の興味深いエピソードが伴う。例えば、ヴィクトリア女王の時代には煙突の設計ミスで煙が室内に充満し、換気不足で異臭が漂うなど、豪華な外観とは裏腹に実用面での問題が多かった。これを解決したのが女王の夫アルバート公で、彼の改革により宮殿は居住に適した空間へと生まれ変わった。また、第二次世界大戦中にはドイツ軍の爆撃を受け、チャペルが被害を受けたが、王室の強い意志で修復され、現在もその威容を保っている。
2.2 現在の役割と規模
今日のバッキンガム宮殿は、総面積約77,000平方メートル、部屋数775室を誇る巨大な建築物だ。内訳は、スイート19室、来客用寝室52室、スタッフ用寝室188室、事務室92室、浴室78室と、まさに「小さな街」と呼ぶにふさわしい規模である。国王や女王が在宅時には王室旗が掲げられ、不在時には国旗が翻るのも特徴だ。公務の場としてだけでなく、諸外国からの賓客を迎える迎賓館としての役割も果たし、年間約4万人の招待客が訪れるという。
しかし、この広大な宮殿のうち、一般に公開されるのはごく一部に限られている。では、どの部分が見学可能で、どの部分が立ち入り禁止なのか、次に詳しく見ていこう。
3. 一般公開エリアとその限界
3.1 ステートルームと夏季公開
バッキンガム宮殿で一般公開されるエリアは、主に「ステートルーム」と呼ばれる公式行事用の19室だ。これらは毎年夏、国王や女王がスコットランドのバルモラル城で休暇を過ごす7月から9月の約10週間だけ公開される。見学可能な部屋には、王座の間、絵画の間、舞踏室、大階段、白の応接室などが含まれる。これらの部屋は、金箔や豪華な装飾で彩られ、レンブラントやフェルメールといった巨匠の作品が展示されていることでも知られている。
2024年には、東棟にある「センタールーム」が初めて公開され、国民に大きな話題を提供した。この部屋は、バルコニーにつながる場所で、ロイヤルファミリーが公の場に姿を現す際の舞台裏ともいえる。しかし、ここでも撮影は禁止されており、訪問者はその雰囲気を記憶に留めるしか方法がない。
3.2 公開されない理由とは?
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