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小・中#14-1: It’s “Milk Chocolate Day!” 「ミルクチョコレートの日です」(前)

今年度、学校の夏休み期間は全国さまざま。
まだ学校が続いている地域では、外国語の授業で次のような Small Talk が聞けるかもしれません。

T:  What’s the date today?
Ss:  It’s July 28!
T:  Yes, it’s July 28.  And what day is it today?
Ss:  It’s Tuesday!
T:  Yes, it’s Tuesday today.  Then, what day is today?
Ss:  It’s Tuesday ….
T:  Yes, today is Tuesday.  Well, what is today?  Today is “Milk Chocolate Day” in some areas around the world.

日付を尋ねるときの “What’s the date today?” や “What’s today’s date?” や、曜日を尋ねる “What day is it today?” から発展させて、「今日は何の日?」と尋ねて見ました。

その場合、「曜日」のことを繰り返し尋ねているのかと児童が混乱しそうですので、表現を簡略に “What is today?” に言い換えてみます。その日の由来が明確であれば、簡単にイラストや写真を使いながら英語で話して聞かせたいところですが、今回は「そんな(名前の)日もあるんだ!」と知る程度。そして “chocolate” から話を始めていきます。

まず、chocolate といっても、いくつか種類があることを思い出させます。ここに出ている "strawberry" や "banana"、"Macha" は "types of chocolate" というよりも "flavor" ですが、ここは児童が思いつくだけ、自由に引き出して盛り上げたいところです。

T:   So, today is “Milk Chocolate Day.”  Milk chocolate …  In a supermarket, we see many types of chocolate.   Milk chocolate, bitter chocolate, …  Do you know any others?
Ss: Sweet chocolate!  White …  Strawberry …  Banana ...?
T:  We have even Macha chocolate.  We have many kinds of flavored chocolate.

多くの種類のチョコレートやチョコレート菓子の名前が挙がったら、特にご自身もチョコレートが好き(嫌いではない)指導者が、思わず尋ねてしまいたくなるのが次の問いです。

T:  Do you like chocolate?
Ss:  Yes! / No!
T:  How many said “Yes”?  Raise your hand. One, two, three, …  Then, who said “No”?  One, two, three, ….  More people like chocolate in this class?

もしここで、クラスにチョコレートが好きな児童ばかりであれば、以下のように続けて、やり取りを発展させることができます。

T:   I like chocolate too.   But in summer, chocolate becomes soft.   On a very hot day, it begins to melt.   My hands get messy .... I like eating chocolate in winter.   How about you, S1?   Do you like eating chocolate in summer?
S1:  Yes.  I like chocolate ... always.
T:  Oh, you always like chocolate.   So you like soft chocolate, too?
S1:  Yes.
T:  Thank you, S1.   What about you, S2?  Do you like eating chocolate in summer?
S2: No, I don't.  でも winter ... 固い
T:  You mean, chocolate gets tough, hard, in winter.
S2:  Yes!  I like パリパリ chocolate.
T:  Do you?  I like crispy chocolate in winter too!

他にも習熟度によって、以下のような問いも考えられます。

● Which do you like better, eating chocolate in summer or in winter?
● Do you think chocolate is summer food, or winter food?

ただし、学校のクラスには様々な児童生徒がいます。みんなが楽しく、「自分のことと」としてやり取りに参加できるようにするには、「自分のことについて伝えやすくなるように、オプションを広げる」、すなわち「大きな問い」を投げかけることの意義については前回もお伝えしました。上のように「チョコレートという特定の食品の好き嫌い」についてのやり取りでは、もしチョコレートが嫌い(苦手)であったり、アレルギーなどがある児童は少し寂しい思いをするかもしれません。

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ですので、以下のような展開も考えておきます。「チョコレートが嫌い(苦手)」という児童にも参加してもらうための問いかけです。

T:  Do you like chocolate?
Ss:  Yes! / No!
T:  How many said “Yes”?  Raise your hand. One, two, three, …  Then, who said “No”?  One, two, three, ….  More people like chocolate in this class?
   ↓ 
T:   “No” students, what snacks do you usually eat?
Ss:   Cookies! ポテチ … ポッキー … グミ … (様々な固有名詞)
T:   Oh, many kinds of shacks.   Cookies. Potato chips.  Crisps in the UK.  Pocky.  Gummy candy.  Maybe, rice crackers? (あらかじめ用意しておいた、いろいろな「おやつ」のイラストや写真を見せながら) We like snacks.  What snacks do you usually eat, S3?
S3:  I like potato chips!

現在進行している Small Talk のテーマを、児童が自分のこととして考えられるような状態にしておくこと。これが児童から自発的な発話や、積極的な思考を促すことに役立つと考えます。もちろん、自分が直接経験したことのないテーマであったり、苦手なものについてのテーマであっても、それをさまざまな状況や条件に当てはめて「想像しながら」、自分なりの考えをまとめられるようになることが、学校教育を通じて最終的に目指す姿です。

ただし、小学校高学年の認知発達段階で、いきなりそこまで求めるのは、やや負荷が高いのではないかと思うのです。まして語句や表現の限られた英語で、既習表現をフル活用しながら「英語で自分の気持ちや考えを伝える」の言語活動が Small Talk です。単に「すぐに答えが浮かぶ」、「いつも(日本語でも)考えている」ような問いが良い、というのではありません。「チョコレートだけ」ではなく、「チョコレートのようなお菓子(おやつ)」までカテゴリーを広げ、そこから「児童自身が好きなお菓子(おやつ)を答える」ような、児童が自分の気持ちに合わせて答えることができる問いを最初にもってくることを大切にしたい。そこから「英語で答えること」に少しずつ慣れていけるような、スモールステップの支援を大事にしていきたいと考えています。

ここまで、まだ "Do you like ~?" に Yes / No で答える問い、さらに ”What ~?" に何か具体例を答える問いまで発展させてきました。次回は、「思考力・判断力・表現力」を働かせるような工夫を伴う展開を考えていきたいと思います。

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