Kanako Kondo

子育て中の元助監督。今は映像系のクリエイターマネジメントをしています。 どうしたら映像制作現場の労働環境改善ができるのか考え中です。

Kanako Kondo

子育て中の元助監督。今は映像系のクリエイターマネジメントをしています。 どうしたら映像制作現場の労働環境改善ができるのか考え中です。

最近の記事

シンポジウム「女性監督は歩き続ける」をしますよ。

気づけば秋なかなかコラムを書くことができず、せっかく8月の終わりに行ったソウル国際女性映画祭のことも書けないまま、気づけばすっかり秋、なぜこんなに忙しかったかというと、東京国際映画祭でシンポジウムを行う準備をしていたからです。 これまで、映画をつくる女性たちがゆるやかに繋がる場が作りたいな、コミュニケーションの場があったらいいなと思い、意見交換会をしたり、Bandアプリに試験的にグループを立ち上げてみたりしていましたが、なかなか一人でぼちぼちやっていても前進しないところがあ

    • 院内集会に行ってみた!

      6月6日、芸能従事者協会さんにお誘いいただいて、勉強会「芸能従事者・クリエイターの事態と課題」(於 衆議院第一議員会館多目的ホール)に行ってきました。これまで省庁に資料を届けに行ったことはありましたが、議員や官僚の皆さんのところに”要望”という形でお邪魔したのは初めて。 当日、どのようなことをお話ししてきたかご報告します。 今回は、10名以上の議員や、総理大臣補佐官、各省庁の担当官僚の皆さんが話を聞きに来ており、熱心にメモを取られていました。 今回の院内での勉強会は一般社

      • 意見交換会をやってみた!

        昨年の秋から、映画・映像の制作現場で働く女性たちに声をかけて意見交換会を始めました。気の利いた名前も思いつかず、わかりやすく「映画と女性ネットワーク」の「意見交換会」と題しています。 秋には子育てをしながら働いている女性たち、2月には子の有無は問わず、10名ほどの方々に集まってもらって3,4時間に渡りざっくばらんに意見交換を行いました。初めましての人も多い中で、安心して話せる場作りというのは意外と難しく、まずは最初にグラウンドルールを確認してスタートするようにしています。

        • 「日本映画業界 女性の働き方の現在地」

          先日、国際フォーラム「女性映画産業従事者の声を聞く:日本と韓国の映画製作労働環境と動向」にて映画業界におけるジェンダーギャップの現状と働き方の変遷について発表してきました。2023年の最後に、発表した内容と当日の感想をこちらに記します。 はじめに私は大学進学時の2001年より装飾助手や小道具として商業映画の撮影現場へ入りましたが、当時はインディペンデントや他業種出身の監督が商業作品を手がけることが一般化してきた時期でした。大学卒業後に助監督となり、商業映画からVシネマの現場

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その5・最後に】

          ”「日本映画制作適正化機構」を知る”として、その1から4まで、その構造や問題点について書いてきました。まとめてみるといくつも重要な問題点が浮かび上がってきたと思います。 ここまでに、ハラスメント対策について詳しく言及していませんが、それについては下記で記事になっていますのでぜひご一読ください。 映画フリーランスの生活は“コスト”様々な問題の根本にあるのは、大手映画会社は自分たちの利益(フリーランス新法や下請法の遵守)しか考えておらず、映画を作る立場の人々の労働環境の改善や

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その5・最後に】

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その4・映適ガイドラインを読む②】

          ガイドライン策定の経緯さて、契約書もない、就業規則もない、なんの手当もない、ないないづくしの映画制作現場に初めて業界団体から示されたルール…!これを見ていくにあたって、成立までの流れと参照資料を紹介します。 映適ガイドラインはこちら https://www.eiteki.org/wp/wp-content/uploads/pdf/eiteki_guideline.pdf 資料① 2019年-2020年度 6月から9月にかけて大規模アンケート調査がなされ、それに基づき20

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その4・映適ガイドラインを読む②】

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その3・映適ガイドラインを読む①】

          誰のためのガイドラインかその1、その2と映適がどんなものかについてまとめてきました。読まれた方はどう感じられたでしょうか? 商業ベースの実写映画作品で、適正な労働環境で作られた作品に【お墨付き】を与える「映適」。このお墨を付ける機構の本体が「映連」であるということを考えると、お墨をつけるのは誰のためなのかな、ということが自ずと…。 さて、このお墨をつけるための「映適ガイドライン」を見ていきましょう。 そもそもノールール撮影所システム時代には、監督やスタッフも基本的に社員で

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その3・映適ガイドラインを読む①】

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その2・ふたつの機能】

          さて、その1では映適が映画業界団体の三者協約によって成っているという前提について書きました。画期的というか、今まで全然コミュニケーション取っていなかったんだな…(あと男性ばっかり)という衝撃がありましたね。 その三者協約はこちら。協力して適正な現場環境から、豊かな映画産業全体の発展につなげましょうというものです。 日本映画制作適正化認定制度に関する協約 中にはこんな条文も。 映適の認定制度を”利用することができる”ということで、”利用しなくてはならない”ということではあ

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その2・ふたつの機能】

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その1・成り立ち】

          画期的な三者協約「映適」の成立した詳しい経緯は、経産省発表(R5年6月)のこちらの資料に詳しいです。2年以上にわたる成立までのプロセス、どのような話し合いがなされたのかを知ることができます。非常に長いのでここでは経緯を端折りますが、今後折りに触れていきます。 この「映適」は ・"映連" 一般社団法人 日本映画製作者連盟 ・”日映協” 協同組合 日本映画製作者協会 ・”映職連”   日本映像職能連合 の「三者協約」によって成り立っています。 この三者が、日本映画の制作環境改

          「日本映画制作適正化機構」を知る【その1・成り立ち】