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胡瓜と爺ちゃん
仕事が早く終わったから爺ちゃんの家に顔を見に行った。
爺ちゃんの家は、自分の家から車で15分くらいの場所。
畑で沢山の野菜を育てている。
出荷はしてなくて、自分の食べる分は自分で作りたいということから何年も前から畑を独学でやり始めた。
今は胡瓜、茄子、枝豆、オクラ、とうもろこしが夏はまだかと言わんばかりにニョキニョキ育ち夏を待ち侘びている。
スイカは毎年スーパーなら3500円はするサイズのものを作り、これがまためちゃくちゃ甘い。
が、今年は数週間前の大雨で苗が浸かってしまったらしく、ヤル気を根こそぎとられてしまった。
畑に爺ちゃんと行った。
爺 『おー、胡瓜いらんか?』
え 『ほしほし〜』
20本くらい胡瓜をもらった。
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爺ちゃんに、こんなにもらっても私多分ダメに(腐らせる)してまうで。
と話すと、
ニヤリと笑い
爺『胡瓜のQちゃん作ってくれよ〜。あれと冷やこいおかいさんがありゃあ、爺ちゃん元気元気や〜』
ほほう、さすがもと商売人。
交渉がうまいというか、超しぜん。
そんなん言われたら、孫は作りますよ。
我が子にはあまりウケない胡瓜のQちゃん。
両親や、爺ちゃん婆ちゃん、兄貴家族には好評で毎年、胡瓜の季節はでっかい鍋で作る。
そういや、まだ今年爺ちゃんにあげてなかったな。
催促されちまった。
すまんよ。爺ちゃん。忘れてた。
帰ったらすぐ作って、届けるな。
この季節、私は青梅シロップを作り、胡瓜のQちゃんを作り、赤紫蘇ジュースを作り、桃のコンポートを作るのが毎夏の仕事である。
なんでもそやけど、人に喜んでもらうのは気持ちがいい。
ありがとう。うまかった。たのしみにしてたって。
エプロンギュッとしめてキッチンに立つ私。
包丁がいつもよりも切れ味よく感じた。
待っときやー!爺さまー!
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