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『銀嶺の果て』

『山岳マンガ・小説・映画の系譜』を購入して、『銀嶺の果て』をAmazonで検索してみたら、手頃な値段のDVDがあったから、注文。そしたら、早々に到着して、早速見た。

先ず、『銀嶺の果て』が1947年(昭和22年)8月に公開されたものであることに注目しておかねばならない、と思う。&白黒映画。
その年の冬場に撮影されたはずで、とすれば、敗戦から一年チョットということになる。

正直なところ、期待はずれ感あり。
なんというか、サスペンス風ドラマを想像していて、もっと、見せてくれるものと思っていた、そんな私の思いはハズレていた。

これを映画館でみていたなら(更にはカラーだったなら)、その映像だけで充分堪能できたろうと思うけど。
つまり、映像は素晴らしく、よくぞ撮ったものだと感心させられた。
脚本が黒澤明だということも、期待していた要因だったのだが。

けれども、・・・
いや。だから、1947年に公開されたこの映画に、私が期待した様なエンタメ感を求めてはいかんのだ、と解っているのだ。

と、いうことで。
あらためて。『銀嶺の果て』。

脚本、黒澤明。監督、谷口千吉。音楽、伊福部昭。(サードだったかフォースだったか、助監督に岡本喜八がいたそうだ)
出演、志村喬、三船敏郎、花沢徳衛、

冒頭、新聞の印刷シーンがあって、銀行強盗事件の新聞記事の見出し文章が出て、そうして、犯人達が逃げ込んだ信州の山の、その警察署内部の、ストーブが焚かれている部屋で濡れた靴を乾かしている刑事と地元警官たちとが話しているシーンになって、それから犯人達を追いかけに出かけていくシーンになり、物語が展開していく。

逃げる犯人達と追いかける警官達との攻防とか、ハラハラドキドキ感はない。
そういえば、(劇伴)音楽が伊福部昭なんだけど、その音楽もそんな感じ。

ハラハラドキドキ感な音楽ではなくて、むしろ、大自然を讃歌する様な感じで、音楽がチョットじゃましてる様な、うるさく感じる部分もあった。

映像的には、素晴らしい山岳映像があったけど、顔のドアップがあったりして、・・・
そういえば、スキー滑降シーンがあったけど(それもわりと長く)。。?これはどうも不自然だなぁ~~。この物語の流れの中からズレてる気がする。この物語の中で、あの長さのスキーシーンがあるのは変だと思う。

とか、等々、いろいろ気になるところはありますが。(^_^;)))

そぉんなとこをチェックしないで、1947年8月公開のこの映画を見ることを楽しめばいい、そういうことだと思う。
谷口千吉の初監督映画だし、三船敏郎の(実質的な)デビュー映画だし、志村喬も若いし、。。






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