![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/38064551/rectangle_large_type_2_b17b26428d4f6dd412cc60af4ae853e2.jpg?width=1200)
FELLINI SATYRICON / サテリコン(1970年9月12日劇場公開)
第12回京都ヒストリカ国際映画祭で上映された『サテリコン』。
「始まりがなかったり、終わりがなかったりする不完全なエピソードや、その間の空白状態のエピソードを通して、」とフェリーニが語ったペトロニウスの『サテュリコン』のフリー・アダプテーションです。
『フェリーニ-サテリコン』というタイトルなのは別のプロデューサーが「サテリコン」のタイトルの権利を持っていたからです。
1970年はサイケデリックの時代の真只中。荻昌弘の言葉が大時代的。
このポスターは混沌を極めていますね。
一方、アートポスターになると1点強調のわかりやすいポスターになります。
このポスターもどんな映画かをシンプルに伝えています。「ローマ、紀元前、フェリーニ後」。
抽出するとこんなにシンプルになります。それだけ耽美、退廃、肉林のベールを幾重にもまとった芸術映画。
2019年に発売されたブルーレイのジャケットが、ようやくこの映画を時代劇として冷静にパッケージ出来たことを表しています、そしてフェリーニ生誕100年の2020年京都ヒストリカ国際映画祭で上映と、そういう流れなんだと思います。
「動かない、固定された絵画のような映画だ。トラベリングもカメラの運動もない。完全に見つめるだけの、夢に似た映画。催眠術にかかって見る映画だ。(中略)僕が象形的な意味でやりたいのは、ポンペイとサイケデリック、ビザンツ美術とポップ、モンドリアンやクレーと原始芸術の混成であり、マグマのような映像の解放だ。」とフェリーニが語った通りの映画。
*文中のフェリーニの言葉は「ガリマール新評伝シリーズ世界の傑物4 フェリーニ」ベニート・メルリーノ著、山口俊洋訳から引用しました。
いいなと思ったら応援しよう!
![eigadays](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25290166/profile_f9f7619c13bf66d203f9a8aef7082a91.jpg?width=600&crop=1:1,smart)