![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46600723/rectangle_large_type_2_7f2b18ce540650bedd9a5907fbb6fec8.jpg?width=1200)
DAU. NATASHA / DAU. ナターシャ(2021年2月27日劇場公開)
心底恐ろしい、ロシア映画。
映画には社会実験という側面があることはわかっていたつもりでしたが、この映画の製作過程には驚かされます。
詳しくはこのパンフレットに書かれています。
主な舞台は3つ。まずナターシャと同僚オーリャが働く食堂が一つ。食堂が掃けた後、残り物で賄いを楽しむ2人。
2つ目がオーリャのアパート、ここである出来事があります。
そして、尋問官の取調室。
閉店後の食堂でしゃがみ込んで咽び泣く、ナターシャ。
フランスから招かれた物理学者との宴会、その後、
オーリャ、服を脱がされています。
「自由意思」とは何かということを厭が上でも考えさせられます。1950年代のソビエト社会に投げ込まれたような、異常なリアリティがあります。つまりイリヤ・フルジャノフスキー監督が、ロシアの人さえ忘れてしまっているソヴィエトのトラウマを思い出させる為にこの映画を製作した意図が強く伝わってきます。ただ残念ながらロシアでは本作は上映禁止(その後、注意喚起の警告付きで公開)。
同じ製作環境で次作も既に完成しています。恐ろしい計画を企てる映画人の本気度合いに打ちのめされました。
本日の映画.conの記事で、「娯楽性が皆無」と紹介されていますがそれは表面的な見方だと思います。ソヴィエト時代がもたらしたものを考えながら観る映画です、そこには強烈な娯楽性=人を惹きつけて止まない物語がありますから。
いいなと思ったら応援しよう!
![eigadays](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25290166/profile_f9f7619c13bf66d203f9a8aef7082a91.jpg?width=600&crop=1:1,smart)