UNE BELLE COURSE / パリタクシー（2023年4月7日劇場公開）

『勝手にしやがれ』からずーっと絵になる街、パリの魅力を再発見。

原題は”美しき旅路”、実にパリ市内を東南から西北へ抜けるちょっとした小旅行。

公式サイトより

パリと言えば、セーヌ川。アルコ橋の上でタバコを燻らす場面でもう琴線に触れてきました、この映画。

ストーリー的には単純で、タクシー運転手のシャルル（ダニー・ブーン）がマドレーヌ（リーヌ・ルノー）を乗せて目的地である養老施設に行くだけなんです。サブ・ストーリーとしてマドレーヌの壮絶な過去を紐解くという正統派人生映画。

過去の自分を励ますように今のマドレーヌがタクシーの後部座席で手をしっかり握る場面でもうダメ。

レストランで食事を楽しむ場面とか、これからの展開が予想できてもう見てられません。

英語タイトルは”ドライビング・（ミス・デイジーではなくて）マドレーヌ”。メリハリの効いた演出、さりげない演者、シンプルなプロット、そしてパリ。これだけ揃えば失敗作になりようがありません。

2023年春を代表するフィーリングッドなロードムービー。