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東洋史観的『軍略』の欠如がもたらした惨劇(沖縄戦・出口なき戦場)

一昨日、纏まった時間が出来たので、録り溜めた番組の中から、何か観ることにしました。

そこで選んだのが、NHKのドキュメンタリー番組『沖縄戦 出口なき戦場』でした。

太平洋戦争末期、敗戦濃厚となった日本軍に、米軍は、本土攻撃を仕掛けるべく、沖縄に進撃して来ました。

圧倒的な兵力で攻め込んで来た米軍に対し、日本軍も何とか抵抗しようとしましたが、進撃後間もなく、事実上、日本軍の敗戦が決まりました。

しかし、日本軍は、「本土決戦までの時間稼ぎ」との名目で、『戦略持久』という作戦を実行します。

中心地の首里から逃避するように南下。時間を稼ぐ為、南部地域に点在する壕に身を潜めながら、米軍に必死の抵抗をしていったのです。

実は、その事実上の勝敗が決してから沖縄戦が集結するまでの約1ヶ月の戦死者数が、全体の半数になったことから、この『戦略持久』がもたらした悲惨さが伺え知れるのです。

その1ヶ月の戦況、市民の避難生活の実態に迫ったのが、上記番組です。

『本土決戦前の徹底抗戦』という、日本軍の大義名分の為に、多くの市民の命が失われることになった、その事実に直面して、私の心は、大きく揺さぶられました。

そして、ここ1ヶ月程前に学んだ『東洋史観的軍略』の欠如を、その日本軍の暴挙に感じずにはいられませんでした。

東洋史観的軍略は、先ずは、国民の幸福を第一に考えます。国民が幸せな生活を送れていれば、国家は、自然と安泰な方向に進むとする思想です。

この沖縄戦をはじめ、インパール作戦等に代表される兵士や市民の尊厳を踏みにじる愚かさが、太平洋戦争時には、一貫して見られたのですが、私は、「歴史は繰り返す」という観点において、それら戦時中の日本軍の営みを報じた記事や番組に、興味を持って触れるようにしています。

今回の番組も、国家というよりも、『軍の面子』を最優先した愚行により、失われる必要が無かった多くの市民の命が犠牲となったことに、強い憤りを感じました。

私たちの命は、そのような悲惨な歴史の上に成り立っていることを、機会があるごとに思い出さなくてはいけないと思うとともに、「歴史は繰り返す」という法則が証明されないように、自分が出来る行動を取っていきたいと考える次第です。

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