キッズプロダクトの企画思考②(職業体験アプリ)
■次は、ゲーム部分の仕様を決めるフェーズ
仕様を決めるアプローチは、いくつかパターンがあります。
1つは、仕事内容を上手く表現できて、かつ、楽しめるような仕様に落とし込んでいくという、ゼロベースから仕様を考えるパターンです。ゼロから考えていきますので、それなりに大変ではありますが、企画立案の醍醐味があります。
これとは反対に、既存のゲームジャンル(フォーマット)に企画を乗せるパターンもあります。パズル系(落ちもの・ジグソー・繋ぎ)、スゴロク、シューティング・・など、既存のジャンルに当てはめて考えます。
こちらの場合は、細かいルールをゼロベースから考えることなく、既存のルールに乗せるため、ある程度の企画のクオリティを担保することができます。ゼロベースから考えるよりは簡単だと思いますが、「上手く乗せる」というのにもコツがありますので、慣れが必要だと思います。
どちらを選ぶにせよ、子どもがターゲットですので、共通しているのは「複雑すぎるルールにはしない」という点です。これは決して「手を抜く」と言うわけではありません。シンプルを極める、と言うことに近いと思います。
ただ、企画のコンセプトによっては敢えて複雑なルールを採用する、という判断もありますので、結局のところ、企画次第となると考えています。
■ルールを固めたら、脳内で遊んでみる
脳内で、スムーズに遊べるような仕様になるまで、変更を随時加えていきます。脳内でのイメージが難しいようであれば、モックを作っても良いと思います。
想定される "遊びかたパターン" を脳内でイメージし、試していきます。もちろん、ここで全ての遊びかたを網羅することは不可能だと思いますので、あくまで対応可能な範囲内で、ということになります。あとは、「ここまで脳内で遊べるようになればOK」と言う線引きを、自分の中で持っておくといいかもしれません。
ちなみに、場面(シーン)変化の小さい展開が続く場合は、操作面で違いを出すことが有効です。例えば、操作としてタップメインの場面を作った後は、スワイプメインの場面を用意するなど・・です。
画(え)的に大きく変わるのでしたら、操作面が同じ(例えばタップを使うシーンが連続)であっても、視覚的な部分としては変化がありますので、子どもとしては飽き難くなります。
逆に、視覚的な変化も小さく操作も同じものが続いてしまうと、遊びのリズムが単調になってしまい、離脱に繋がってしまう可能性があります。それを防ぐために、操作面で変化を付けるのです。
ただ、やはりこれも時と場合によりけりで、例えばターゲット年齢が2・3歳児など低めに設定されているのであれば、ある程度操作パターンを絞った方が、子どもが混乱せずに楽しんでもらえるという利点があります。
ここの判断は本当に難しく、実際にコンテンツを作った後のテストプレイ等で、子ども達の反応を見て決めていく必要があると思います。
とは言いましても、子どもに寄りすぎて「子どもウケが良いもの」を創るのは、また違うと個人的には考えていますので、いつもここは自分の中でせめぎ合いとなっています。
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