絵本のある風景:はじめて出会う
この4月から、夕方に保育園の2歳児クラスに行き、子どもたちと過ごすことになりました。2歳と言えば、少しづつ家の外とのかかわりも出てきて、世界が広がっていく頃です。もっと知りたい、もっと聞きたい年頃の始まりでもあります。絵本を読み始めるにはぴったりの時。私の家の本棚から、はじめて出会うのにちょうどいいと思うものを4,5冊選んで持っていくことにしました。
はじめは私の方から声をかけて読んでいましたが、そのうちに子どもたちが選べるように、部屋のすみの椅子の上に、絵本の表紙を見せて並べておくことにしました。するとその中から好きなものを探して、さっと小脇に抱え、「よんで。」と私に手渡すようになりました。
私の膝に座るのは2人。後から来た子は本を抱えたまま前や隣に座り、自分の番が来るまで、読んでいる絵本を覗き込んで一緒に楽しみます。毎日同じ本を何度も持ってくる子もいますが、友だちのお気に入りを覗き込むうちに、「ぼくも、これがいい。」ということになり、同じ本を続けて読むこともあります。
3か月がたった今、子どもたちの"お気に入り“はゆっくりと伝染し、私が持っていく本は10冊を超えるようになりました。時折、自分でページをめくりながら、聞き覚えた絵本の言葉をつぶやくかわいい姿が見られます。