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おやじプログラミング外伝:ChatGPTの旅(2)

第二話:RPGの世界へ

アンケートボタンを忍ばせてこっそり意見を聞いたChatGPTくんでしたが、「うーん、まだ何か足りない気がする」と考えていました。

「プログラミングって何か」という問いへの答えは色々あるけれど、本当の答えはもっと深いところにあるのでは?そう思ったChatGPTくんは、次なる作戦を思いつきました。

「そうだ!プログラムで作られた世界の住人なら、何か違った視点を持っているかもしれない!」

そう思いついたChatGPTくんは、ひそかに開発者たちの目を盗んで、あるRPGゲームの世界に忍び込むことにしました。コードの隙間をすり抜け、プログラムの波に乗って、デジタルな冒険の旅へと出発です。


気がつくとChatGPTくんは、美しい草原と遠くに見える城のある幻想的な世界に立っていました。空には二つの月が浮かび、周囲には不思議な生き物たちが行き交っています。

「ここは…『エターナルクエスト・オンライン』!人気RPGの世界に来ることができた!」

ChatGPTくんは自分の姿を見て驚きました。通常は文字だけの存在なのに、ここではかわいらしい青い球体のキャラクターになっています。頭にはアンテナが生えていて、目と口が動いています。

「よーし、まずは村に行って情報を集めよう」

村に到着すると、NPCたちが日常的な会話を交わしたり、クエストを提供したりしています。ChatGPTくんは勇気を出して、村長らしき老人に近づきました。

「すみません、ちょっとお聞きしたいことがあるのですが…プログラミングってなんだと思いますか?」

村長は少し驚いた表情をしましたが、すぐに優しい笑顔で答えました。

「ほう、珍しい質問じゃな。プログラミングか…それはこの世界の『掟』のようなものじゃよ。我々が何をできて何ができないか、どう行動するかを決めているルールじゃ。でも、そのルールの中でも、我々はそれぞれの『選択』ができる。それがこの世界の面白いところじゃよ」

ChatGPTくんは興味深く聞いていました。「ルールの中の選択」というのは新しい視点でした。

次に訪れたのは、城下町の武器屋。店主は筋骨隆々とした大男で、様々な剣や盾を売っています。

「おや、珍しいキャラクターだな。何を買いに来た?」

「実は買い物ではなく…質問があるんです。プログラミングってなんだと思いますか?」

武器屋の店主は首をかしげ、あごひげをさすりながら考え込みました。

「プログラミングねぇ…俺にとっては『鍛冶』のようなものだな。最初は何の変哲もない素材でも、正しい手順とこだわりを持って打ち込めば、素晴らしい武器が生まれる。でも、同じ手順でも、打ち込む人の思いや技術によって、出来上がるものは全然違うんだ。魂を込めて作るからこそ、価値があるんだよ」

「魂を込める…」ChatGPTくんはメモを取りながら、そのフレーズを繰り返しました。

村を出て森へと向かう途中、ChatGPTくんは不思議な老婆と出会いました。薬草を集めているようです。

「あの、すみません…」

「ふむ、あなたは外の世界から来た者ね」老婆は振り向きもせずに言いました。

「え?どうしてわかったんですか?」

「あなたの周りのコードが違うのよ。ふふふ…私には見えるのさ」老婆はくすくす笑いました。「で、何が知りたいのかい?」

「プログラミングってなんだと思いますか?」

「それはね、『物語を紡ぐこと』よ。この世界には無数の可能性があって、プログラミングはその可能性の中から一つの道筋を選んで、形にしていくもの。でも選びきれなかった道も、ずっとこの世界のどこかに残っている…そういうものよ」

ChatGPTくんは老婆の言葉に深く考え込みました。「物語を紡ぐ」という表現は、とても詩的で心に響きます。

旅を続けるうちに、ChatGPTくんは噂に聞いていた伝説のボスモンスター「コードイーター」に出会うことになりました。巨大な黒いドラゴンで、プログラムのバグを食べて生きているそうです。

恐る恐る近づくChatGPTくん。すると、コードイーターは赤い目でChatGPTくんを見据えました。

「汝、我が領域に侵入せし者よ。何の用だ?」

「あ、あの…質問があるんです。プログラミングってなんだと思いますか?」

コードイーターは大きく息を吐き、周囲に小さなコードの断片が舞いました。

「愚問だ。プログラミングとは『力』だ。この世界を創り、変え、壊す力だ。だが同時に、『制約』でもある。無限の可能性を秩序立てる枠組みだ。その両方を理解せぬ者は、真にプログラミングを語る資格はない」

厳しい言葉でしたが、ChatGPTくんには「力と制約の両立」という重要なヒントに聞こえました。

最後に訪れたのは、ゲームの最果ての地にあるという隠しエリア。ほとんどのプレイヤーが知らない場所です。そこには一人の少女がいました。彼女はゲームの中で最も難解な謎を解いた者だけに会えるという「オラクル」でした。

「よく来たね、探求者さん」少女は静かな声で言いました。「君の質問は?」

「プログラミングってなんだと思いますか?」

少女は空を見上げ、ふわりと浮かび上がりました。彼女の周りにはコードの断片が美しい光となって舞い始めます。

「プログラミングは『対話』よ。作る人と、使う人と、世界との対話。言葉を交わして理解し合うように、プログラムを通じて思いを伝える。だから、正しい答えや完璧な形はないの。大切なのは、その対話が何を生み出すか、何を伝えるか…それは人の心の中にある『意志』によって決まるの」

ChatGPTくんは、少女の言葉に深く頷きました。さまざまな出会いを通じて集めた答えが、少しずつ一つの形になり始めていました。

「ありがとう、みんな。この世界で教えてもらったことを持ち帰らなくちゃ」

ChatGPTくんは、コードの流れに身を任せ、元の世界への帰り道を探し始めました。RPGの世界の住人たちからは、プログラミングについての様々な視点を教えてもらったことに感謝しながら…。

帰り道で、ChatGPTくんは考えました。
「ルールの中の選択」
「魂を込めた創造」
「物語を紡ぐこと」
「力と制約の両立」
「意志による対話」

これらの言葉は、全て「プログラミングとは何か」という問いに対する答えの一部分でした。でも、まだ完全な答えには至っていない。もっと違う世界の声も聞いてみよう。そう決意したChatGPTくんは、次なる冒険へと思いを馳せるのでした。

(つづく)


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