見出し画像

いかりくんのいい仕事

体育館に響く声。
「めんどくさいなー」 「適当でいいじゃん」
運動会の練習中、クラスメートたちの投げやりな声を聞いて、
健一の心の中では感情たちが集まっていました。

小さな灰色の影のような妬みくんが、
珍しく落ち着いた様子で話し始めます。
「怒りくん、今回は珍しいね。
僕が感じる『羨ましい』って気持ちが、
全然ないんだ。
他のクラスに負けたくないとか、
誰かより上手くやりたいとか...そういうのじゃない。
ただ、みんなの態度が残念で...」

キラキラと光る希望さんが続けます。
「そうなんです!これは妬みじゃない。
クラスのみんなの本当の力を
知っているからこその気持ちですよね」

怒りくんは少し考え込みます。
「なるほど...
だから僕も何か違和感があったんだ。
いつもみたいに熱くなるんじゃなくて、
もっと...」

「そう、建設的な声にできそうですよ」と希望さん。

怒りくんは深く息を吸って:
「よし、行ってくる!」

健一は立ち上がり、少し震える声で、
でも強い気持ちで言いました。
「みんな、もっと真剣にやろうよ!
だって、これは最後の運動会なんだ。
みんなで楽しい思い出を作りたいじゃん!」

体育館が少し静かになり...
そして、誰かが
「そうだな!」
と声を上げました。

この後、クラスはひとつになって練習に励みます。

その夜、健一の心の中で:
妬みくんは静かにつぶやきます
「今日は僕の出番じゃなかったね」
希望さんは
「みんなの心に新しい光が灯りましたね」
怒りくんは少し照れながら
「へへ、いい仕事できたかな」


今回のキャラクターを久しぶりにTシャツにしてみました。SUZURIで販売しています。よろしくお願いします。

SUZURIで販売中


いいなと思ったら応援しよう!

ライトクラフト
気に入ってもらえたらサポートお願いします!クリエイターとしての活動費に使わせていただきます😄