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深読み ルピナスさん
ルピナスさんという絵本をご存じでしょうか?
ほるぷ出版から出されている、バーバラ・クーニーの翻訳絵本で、本国(アメリカ)では1982年に、日本では1987年に出版された絵本です。
作者のクーニーはコルデット賞というアメリカの名誉ある賞を受賞している、有名な絵本作家です。
2019年にほるぷ出版からデジタルルマスター版が新たに出版され、再度注目を集めている絵本です。
幼き頃のルピナスさんが、自身の祖父に「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいたいのだよ」と語りかけられるシーンが印象的です。
ルピナスさんが祖父との約束を果たすために、ルピナスの花を街中に咲かせるというお話です。
<見どころ>
メインとなるストーリーは、ルピナスさんが祖父との約束を果たすというところになりますが、多くの人が胸打たれるのは、ルピナスさん1冊を読むことで、過去の人生や未来の人生を見つめなおすことができる点にあります。
ルピナスさんは、人生のフェーズごとにその呼び名が変わります。
アリス(子供時代)→ミス・ランフィアンス(青年期)→ルピナスさん(高齢期)
副題には「小さなおばあさんのお話」とあるので、高齢期のルピナスさんに焦点が当たるように思えますが、実際にページが多く割かれ、また人生の起伏が大きいのは、ミス・ランフィアンス(青年期)の時代です。
悩み苦しみながらも、祖父との約束を果たしたのちの姿が、「ルピナスさん」と称されているのです。
この絵本を読んだ人ならきっと考えると思います。私は何を成し遂げたら「ルピナスさん」になれるのだろうかと・・。
<注目ポイント>
1.なぜミス・ランフィアンスが南の島に行きたいと思ったのか
→答えは、祖父と語り合う部屋の絵画にあります。左の壁の絵画をよくご覧ください。アリスの時代にすでに南の島への憧れを抱いていたことがわかります。
2.祖父との約束になぜこだわったのか
→答えは、ルピナスさんが子供たちと語らう部屋に隠されています。この部屋には祖父の部屋にあった絵画や椅子があります。
祖父のものをわざわざこの家に持ち込んだということは、祖父のことを本当に慕っていたということが読み取れます。
ルピナスさんは祖父に言われたことを突然思い出して「約束」に取り掛かったわけではないでしょう。
祖父が大好きで、自発的に世の中をうつくしくしようと考えたと読み取れます。
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