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雇用調整助成金よりも「みなし失業」を利用する方法もある。

新型コロナウィルスにより売上が激減したため雇用調整助成金を利用することも考えている企業もありますが、申請書類の数が減ってもまだまだ複雑な制度であるため利用が進まないのが現状です。

✅雇用調整助成金は休業手当を出した後でないともらえない

雇用調整助成金の条件として休業手当を支給した後にしか申請できません。売上が激減した後にさらに休業手当を出すこと自体難しい会社もいます。さらに申請しても実際に振り込まれるのは2ヶ月後(政府は1ヶ月弱で支給決定するとは言っていますが難しいと思います)になります。

それまでどんどんキャッシュが減っていき最後はキャッシュが尽きて倒産になっていまいます。

雇用調整助成金では多くの会社は救えません。そこで考えれる手としては「みなし失業」です。

✅みなし失業とは

みなし失業とは災害によりその雇用される事業所が休業することとなったため 一時的な離職を余儀なくされた方に、雇用保険失業給付の基本手当を支給することにより 生活の安定を図ろうとするものです。

このみなし失業については「激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」の第25条に記載されています。

激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律
第二十五条 激甚災害を受けた政令で定める地域にある雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第五条第一項に規定する適用事業に雇用されている労働者(同法第三十七条の二第一項に規定する高年齢被保険者、同法第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び同法第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者(第五項及び第七項において「高年齢被保険者等」という。)を除く。)が、当該事業の事業所が災害を受けたため、やむを得ず、事業を休止し、又は廃止したことにより休業するに至り、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、就労することができず、かつ、賃金を受けることができない状態にあるときは、同法の規定の適用については、失業しているものとみなして基本手当を支給することができる。ただし、災害の状況を考慮して、地域ごとに政令で定める日(以下この条において「指定期日」という。)までの間に限る。

みなし失業によれば失業と同じ状態になりすぐに失業保険をもらうことができるようになります。

✅新型コロナウィルスが激甚災害として認定する必要がある

みなし失業を適用するためには「激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」を適用しないといけませんが、その条件として新型コロナウィルスが激甚災害として認定されなければなりません。

認定されたのは東日本大震災や豪雨災害では災害に認定されてみなし失業で助かった人も多くいます。そもそも新型コロナウィルスが災害として捉えることができるという問題があります。

✅みなし失業を利用したときにどうなるのか?

みなし失業が適用される場合には会社を辞めていなくても会社が休業した場合には失業したものとみなして失業保険が出るようになります。したがって雇用調整助成金が休業手当を出した後に会社に助成金が振り込まれるという最初に支出がなく、直接社員に失業保険が給料の代わりとなってもらうことができます。

✅みなし失業を利用する場合の問題点

みなし失業を利用できる対象者は雇用保険に入っている人(雇用保険被保険者)だけになります。そのため雇用保険に加入していない学生さんや短時間で働くアルバイトの方は対象外になります。
この点に関しては緊急雇用安定助成金が利用できます。この助成金は雇用保険に保険者以外でも利用できます(ただし、現時点では6月30日までの時限適用)。

みなし失業で失業手当を受給した場合には雇用保険であった被保険者期間は一度リセットされます。そのため育児休業給付金を受給しようとする場合には一からのカウントになるためもらえない可能性もあります。

✅みなし失業を利用するための方法

みなし失業を受けるためには「雇用保険被保険者資格喪失届」及び「雇用保険被保険者離職証明書」の提出(離職票の発行手続き)が必要になります。

離職証明書「⑦離職理由欄」の「6 その他」に、被災により事業所が休業するに至ったため一時的に解雇することを余儀なくされた旨及び当該離職者の再雇用予定年月日を明記してください。

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