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到達できる最遠距離は

人類は2022年、地球から43万4523キロの場所へ宇宙船を到達させ、最遠記録を塗り替えたらしい。
私が今まで1番遠くへ行ったのは多分ニューヨークかなあ。
息子(生まれて8ヶ月)の場合は、自宅の廊下だ。


ハイハイを覚えて2ヶ月。
初めは私の足元でしか動き回ろうとしなかった息子が、現在は自ら寝室を目指してぐんぐん距離を伸ばしている。我が家は3LDKのマンションで、リビングからは寝室が1番遠い。
渡り鳥が南を目指すように。コロンブスがアメリカ大陸に到達したように。

親に抱っこされ運ばれていた赤ちゃんが、自分の(手と)足で移動できるようになるのってすごく感動する。
彼は新しい景色をその目で見ようと前を見据え、いつも口をへの字に結んで挑み続ける。小さな手がフローリング踏みしめるたびに、キュッキュッと可愛い音を立てている。

家の間取りを理解しているのか、廊下を行った先に何があるのか知りたくてひたすら前進しているのかはわからないが、とにかく寝室を目指している。
しかしどうしても途中で私のいる方を振り返って、Uターンで帰ってきてしまう。
まだ行けないんだなあ、と思ってた。

するとある日静かに寝室へ到達し、落ちているコードで遊んだりなんかするからおちおち油断してられないのです。

まだハイハイができなかった頃の息子は、床から上体を起こそうと毎日自主的にトレーニングしていた。
段々と腕が伸び、肩は床からどんどん離れていく。
今年のことなんだけど。たくましくハイハイする今の姿を見ていると、ものすごく昔のことに感じる。

今日は支援センターへ遊びに行った。
トンネル型の布で、通り抜けて遊ぶおもちゃが新しく置いてあった。
スタッフさんが「赤ちゃんはまだ通り抜けられへんのよね。1歳の子は(入ってから出てくるまで)早いよぉ。」と教えてくれる。
息子にとって2m先は未知なるエリア。
トンネルなんて、油断できないドキドキゾーン。

今みたいにお家のなかで冒険しててくれる期間なんてあと数か月だ。
なんて愛おしい時間なんだろうって、子育ての合間に時々思う。そう感じる時間があること自体幸せだな。通り過ぎてしまってから感じる幸せも多いから。

このまま私のそばでハイハイを頑張っている姿を見せていてほしい。どこまでも遠くへ、自分の足で進んでいってほしい。
相反する2つの想いは、子育て中の人皆が胸に抱えてるんだよね。
そのことを思う度、見知らぬ同志達と心が繋がる気がする。


この記事を書いたのが約1ヵ月前。
息子はお外遊びデビューも果たし、よちよちと歩く練習をしている。
一丁前にお靴も履いています。
いっぱい前に進んでいこう。

靴はなんと670円!庶民の味方ですね。ありがとう西松屋。

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