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「思考を停止させないこと」と「脳を消耗させること」は違う。

2017.4.11
自戒も込めて意識していることがあります。やりくりすることに脳を消耗させてはいけません。「思考を停止させないこと」と「やりくりで脳を消耗させること」は全く異なります。

アート、クリエイティブ、デザイン、ディレクション、マーケティングという類の言葉は一種の甘美さがあるので危険です。これらの職業についていると、目の前のことをやりくりすることに精一杯で脳を消耗しているだけにも関わらず、とてつもない価値を作っていると思ったり、重要な事業に携わっているような錯覚に陥りやすくなります。

一見すると似ている両者。

何人もそんな人を見てきました。彼ら(脳を消耗させているだけの人)の特徴は、承認欲求が強く、誰にも影響を及ぼさない所に極度のこだわりを持ち、そのこだわりによって周囲の時間や労力をすり減らします。

一方で、思考を停止させない人も自我が強く、主張がはっきりとしていますが、自らも動くことによって、人々にベネフィットとインパクトを与えることができると本気で信じて動いています。

彼らを識別するための質問。

両者は一見すると同じように見えるのが厄介です。そこで、違いを見分けるのに有効なのが、人々や社会や地球へのベネフィットを尋ねることです。健康になれる、手間を省ける、仕事量を減らせる、仕事を生み出せる、お金が稼げる、流行を知れる、生態系を壊さないなど、思考を停止させない人であれば自分以外の誰かや何かに対してのベネフィットを答えてくれます。

それが、企業やプロダクト、サービスの価値になります。こだわりが強い人と出会ったら、そのこだわりの先に自分以外の誰にベネフィットがあるのか、尋ねてみると良いです。

これは江口克のブログ「キャッチボールをするような」の2017.4.11の記事からの転載です。オリジナルで読みたい方はこちら


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