10歳の頃の自分にクリスマスプレゼントしたいマンガ
気付けばあと少しでクリスマスです。この季節になってくると、子供時代を思い出すからか、それともテレビCMに踊らされているだけなのか、大人になった今でもちょっとだけワクワクしてしまいます。果たして今年は健康にクリスマスを過ごせるのでしょうか?
「忘れられないクリスマス」というほどでもないのですが、この季節になると、なぜだか必ず思い出してしまう子供時代の思い出があります。(少しだけ昔話にお付き合いください)
クリスマスの思い出
小学生のころ、当時住んでいた家は古い家屋で、お風呂が外にありました。お風呂の小屋が庭にあって、お風呂に入るためには外に出る必要があったのです。今思えばとても面倒でした。
自分が10歳ぐらいだったころ、当時はまだ父親と一緒にお風呂に入っていました。12月上旬のある日、いつものようにお風呂に入って、父親と庭を歩いている時、父親がこう聞いてきました。
父「お前、クリスマスプレゼント何がほしい?」
自分「○○がほしい。」
(何を答えたかは忘れてしまいました。)
父「わかった、じゃあサンタさんにお願いしといてやるよ」
そう言うと、父は夜空を見上げながら祈るフリをしていました。
その年のクリスマスの朝には、お願いしたプレゼントが枕元にはおかれていた気がします。
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今思えば、父親も性格に似合わずロマンチックなことをしてたんだなぁと、なんだか背中が痒くなります。
ただ、20年以上たった今でも、クリスマスの思い出と聞かれたら、夜空に祈る父親の姿をなぜだか思い出してしまいます。
10歳の自分にマンガを贈るとしたら?
2020年はマンガサイト「アル」のライターとして、記事を通して様々なマンガをお勧めさせていただいた一年でした。
もし、10歳のあの時の自分にクリスマスプレゼントとしてマンガを贈れるとしたら、自分はどんな作品を贈るだろう?
子ども時代の自分に贈りたい一冊を選んでみました。
『大きい犬』
10歳の趣味には合わないかもしれないけれど、『大きい犬』という作品を贈りたいです。
『大きい犬』は、不思議なお話です。短編集でして、1つ目のエピソードが「大きい犬」です。
住宅街に大きい犬がいるのです。町の人々は大きい犬を受け入れています。とある男性がこの町に住むことになり、大きい犬と交流を図っていく物語です。
この作品を読んでいると、なぜだか温かい気持ちになれて、なぜだか救われた気持ちになります。
この「よくわからないけれど、温かい気持ちになれる瞬間」って、人生を生きていく上で大事だと思うから、この作品を贈りたいです。
10歳の自分へ伝えたいこと
これから先、将来なんて全く想像がつかないし、自分の日常が突然変わってしまうこともあります。
そんな不確かな日々を過ごしていくことになるけれど、自分が心の中で抱いているその感情は確かなものだから、自分の感情を大事にしてほしい。そして、目の前にいる人の感情も同じぐらいどうか大事にしてほしいです。
この作品を読むと、なぜだかわからないけれど、温かい気持ちになります。その感情を大事にしてほしいから、この作品を贈りました。本棚にいれておいて、ふとした時に読み返してほしいです。
そんなメッセージを伝えられたらなと思います。
いつか自分も父親になったら
そんな私もちょっと前に結婚をしました。この先、子どもができるかは分からないけれど、もし自分にも子どもができたなら、あの時の父親と同じように夜空に祈るフリを自分もしてみようかな。
そして、『大きい犬』を一緒に読んでみたい。