川辺の送り
ざりがにが死んだ。息子が保育園の行事で釣ってきたもので、名前は「エビフライ」。ここ数日の猛暑が祟ったのか、水槽の底で横たわっていた。
息子に伝えると、案に相違して大泣きした。普段あまり世話をする様子はなかったのだけれど、そういえば、飼ったものが死ぬのは初めてだった。夕方六時。バケツに死骸を入れ、近くの川に向かった。
「川に流すと、魚に食べられるからやだ」と息子が言うので、南無阿弥陀仏と唱えればキラリーン! と仏様になるから大丈夫、と諭す。すると息子は「……じゃあ、また天国で会える?」とぼくの顔を見た。
ざ り が に に 御 霊 は あ り や 野 辺 送 り
ざ り が に も 仏 と な り ぬ 橋 の 下