ことばを紡ぐこと。
「ことば」は一定のリズムと響きを持っている。
これは「声に出すとき」も「文字に表すとき」も同様に現れる。
声に出すときには、抑揚や音程、さらには文脈はコード進行のように「ことば」に彩りを与える。
文字に表す作業は譜面を作ることに似ている。頭の中に流れる旋律をスコアの線上にに並べていく。
歌うことと曲を作ることが同じ作業でないように、話すことと文章を書くことには違いがある。
鼻歌を自然と口ずさむように、ことばが勝手に口から溢れることもある。
その一方で、作曲や文章を書く行為は「自動的」には始まらない。
そこに明確な意志が無い限り、文章は産まれない。
ただ情報を食し、自然と口から垂れ流すことと明確な意志を持って自分の得たものを文字に書き起こすこと。
全く違う行為であることは明白なのに、それに気づくことは難しい。
話をすることと、文章を書くこと。
自分の中に流れるメロディはどんな色形をしているのか。
それを確かめる作業だったとようやく気付いた。
自分の歌いたい歌を自分で書けるようになること。
本当にやりたいことがようやく見つかった気がする。