見出し画像

ギンネム これを食べ続けた哺乳類に恐ろしいダメージを与える『悪魔の実』



銀合歓 (ギンネム)


ギンネムは南米産で、メキシコ、ベリーズ、
グアテマラなどを原産とするマメ類の植物。


日本へはスリランカ産が明治時代に初渡来と
なり、その主たる目的として緑化用、飼料用
であった。この時は本格的な拡大へは至らず
だったのだが、第二次世界大戦によって沖縄
の土地は荒れ果ててしまい、戦後のアメリカ
より復興と土壌緑化の為にと、防風や防潮や
赤土の海への流出抑制を目的としてハワイ産
のギンネムの種が沖縄の広範囲に空中散布を
されたものが今もこうして沖縄全土の光景に
ギンネムが残るものとなっている。


熱帯地方に順応する能力は長けているのだが
沖縄地方を襲う台風に対して弱い一面をもち
結果として、台風シーズンを経てこの樹木は
リセットされるものである。台風が少ない年
には多年生になるのだが、一般には倒木して
しまうもの。


このギンネムは、アレロパシー物質を辺りに
撒き散らす性質があり、ギンネムの周辺の
既存在来種を根絶やしにする性質をもつ為に
良かれと空中散布よりばら撒かれてしまった
ギンネムの種は、本来の防風林や防潮林なる
役割も果たさない上に、本来の在来種に弊害
を与えるだけの侵襲性の強い植えてはならぬ
外来種だったと云う訳である。


そしてタイトルにした通りに、本題は実は
ここからがメインストーリーなのである。


ギンネムには、ミモシン(MIMOSINE)なる
アミノ酸系の特定化学物質が含まれている。


実際には、この植物の実はとても美味であり
それだけなら問題ないが、このミモシンなる
物質を食し続ける事で哺乳類生物にこの有害
成分が蓄積され続け、有害な症状がその身体
に具現化するものである。


先ず第一の問題として、体毛が抜け落ちる。
牛、馬、山羊、など家畜として飼われている
哺乳類もであるが、その症状は人間の身体も
同様に体毛が抜け落ちてしまうのである。


このミモシンによる体毛脱落のメカニズムは
第一に、タンパク質合成の阻害が起きる点に
あり、ミモシンは哺乳類の体内で酵素に作用
し、タンパク質の正常な合成を阻害する。


また、甲状腺機能へ影響も及ぼすものであり
この甲状腺ホルモンは体毛の維持や新陳代謝
にも関わるもので、この機能が阻害される事
で脱毛が促進されてしまうのだと云われる。


これら影響が特に毛髪や体毛の成長へと現れ
体毛の総てが抜け落ちてしまう症状(脱毛症)
を引き起こすものである。これは飼育される
家畜動物のオスメスの両方へと現れるもので
あるのだが、何と我々ヒトに於いても男女共
に同様に無毛症になるもので、一旦抜けると
毛が生えないと云う恐ろしいものとなる。


また、消化過程によってミモシンは分解され
(3-ヒドロキシ-4(1H)-ピリドン、DHP)と
云う有害代謝が生成される。この代謝物にも
脱毛を引き起こす原因となっていることから
トリプル効果で脱毛世界まっしぐらとなる。


体毛の抜け落ちについては、馬、牛、山羊で
それらの現象の発生が確認され、メカニズム
そのものが解析されている。ヒトに於いては
戦時中の食料不足解消ギンネムの豆を食した
日本兵の全てが脱毛したと云う記録が残され
今では食用不適格なものとされている。


哺乳類への影響としては、もうひとつ重要な
問題もあり、その3つについても解説する。


1、この豆や葉を食した哺乳類は脱毛する
2、タンパク質合成が阻害される事から成長
  ホルモンの活性化を遅らせる事から発達
  障害を引き起こされる
3、有害物質による体内への代謝影響からの
  食欲減退や食欲不振が引き起こされる
4、ミモシン成分は生殖機能そのものの低下
  および性欲不振も引き起こすとされる。
  ヒトの場合、女性は性欲が著しく減退し
  男性は勃起不能に陥るものとされる。


これらをまとめると、ギンネムはミモシンの
成分により、哺乳類全体に悪い影響を及ぼす
ことから、体毛脱落、成長阻害、食欲不振、
性欲不振、生殖機能喪失と、とても怖い影響
を及ぼすものである。


ギンネムについては、元々の目的も果たさず
外来種としての生態系破壊にもつながるなど
問題も多い事から、現在、沖縄の中でも撲滅
に向けた活動がなされているものの、狙いの
通りにはいってないのが現状なのである。






和名 銀合歓 (ギンネム)
   銀合歓 (ギンゴウカン)
洋名 ホワイト ポピナック
   (WHITE POPINAC)
   ワイルド タマリンド
   (WILD TAMARIND)
学名 レウカエナ レウコセファラ
   (LEUCAENA LEUCOCEPHALA)
分類 マメ目、マメ科、ギンネム属
種類 多年生植物
草丈 2〜6m
開花 春〜秋
花色 白
花径 25〜50mm
毒物 ミモシン (MIMOSINE)
症状 継続的な摂取の場合の哺乳類への症状
   体毛脱落
   成長阻害
   食欲不振
   性欲不振
   生殖機能喪失
原産 メキシコ南部、ベリーズ、グアテマラ
渡来 明治時代 スリランカ産
   戦後 ハワイ産
言葉 胸のときめき
   歓喜
   創造力
備考 世界侵略的外来種ワースト百選
撮影 沖縄県久米島

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

#銀合歓
#ギンネム
#ギンゴウカン
#ホワイトポピナック
#WHITEPOPINAC
#ワイルドタマリンド
#WILDTAMARIND
#レウカエナレウコセファラ
#LEUCAENALEUCOCEPHALA
#体毛脱落
#成長阻害
#食欲不振
#性欲不振
#生殖機能喪失
#沖縄県久米島ネイチャーリポート

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

いいなと思ったら応援しよう!