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大女郎蜘蛛


大女郎蜘蛛 (オオジョロウグモ)


クモ目、ジョロウグモ科


日本で最大のクモとなる。
一般のクモの巣より糸が頑丈で粘性も強い。


クモのこれらの糸の構成について説明すると
全方位に斜めに伸びる放射状の糸は巣自体に
強度を持たせる構造糸となっているもので
この糸自体は粘性を持っていない。これは
太く頑丈である。


一方、巣の中心からスパイラル(螺旋)状に
グルグルと渦巻(ウズマキ)になっている糸
の方は、粘性がある。他の虫を捕獲する為の
ベタベタ糸となっていて、コレに虫が捕まる
と同時に、その振動に反応して瞬時に移動を
したクモは尻から出した網状糸を出して器用
に獲物全体をラッピングさせ、強靭な顎から
麻痺性と内部溶解性のある毒を注入する事で
身動きの取れなくなった獲物の体液を吸う。


原則としては、ネスト型の捕獲スタイルを
もつクモは基本的にはこれと同じである。


この大女郎蜘蛛(オオジョロウグモ)は日本
では最大のクモで、沖縄に生息するもので
そのメスの身体の大きさは35〜50cmに
もなるもの。オスはこれの5分の1と貧弱で
その身体は緋色をしており、別種と思うほど
色も大きさも異なる。クモの世界はカマキリ
同様に雌雄比較においては、絶対的にメスが
優位な位置を占める生物である。交尾の際は
オスグモは、メスグモの様子を伺いながらの
接近を試みる。本土のジョロウグモなどでも
メスの背後にちんまいオスが何匹か待機する
姿が見える。私にイタズラ心があるのならば
オス達のいる辺りを小枝でツンツンと振動を
させてやれば、メスは瞬時にオス達に向かい
移動すると飛び掛かり全てを糸でグルグル巻
にすると全てを吸い尽くす。同種だとかなど
メスにとってはどうでも良い事、食べるのは
ハンター生物の性(サガ)なのである。故に
オスがメスと交尾するのは命懸けの事であり
交尾後にも死のリスクはある。一世風靡した
背赤後家蜘蛛(セアカゴケグモ)は、洋名で
ブラックウィドウの名前で呼ばれ、その意味
は『黒い未亡人』であるが、後家も未亡人も
オスをかっ喰らってしまうメスグモの性質の
事であり、どのネスト型のクモであれ同じく
オス捕食の性質を持っている。それはまるで
『私が産む私達の子供達の糧におなりなさい』
と言っているが如しである。


カマキリも同じ性質があり、交尾を済ませた
後にメスはオスを捕食してしまうという性質
は、スズムシ、コオロギ、キリギリスなども
共通の生態となる。


オオジョロウグモが本土にいるジョロウグモ
と違う点は、この大型のクモの巣に捕まった
スズメなどの小鳥がこのクモより捕食される
ケースもあると言う点。本来ならば硬い嘴を
もつスズメがクモに負ける事はないのだが、
強力な糸に引っ掛かり、その上から何重にも
網状糸でラッピングされるとスズメと言えど
身動きが取れなくなるのである。


もしも、そんな現場に遭遇したのなら、私は
間違いなく小鳥達の方を助けてしまうだろう。
実家で小鳥を飼っていた事もある私にとって
命の優先度は鳥の方にあるからである。


下記に掲載したオオジョロウグモは宮古島で
撮影した鮮やかな色のもの。過去に沖縄本島
にて撮影したものもいずれは掲載する予定。



和名 大女郎蜘蛛
   (オオジョロウグモ)
洋名 ノーザン ゴールデン オーブ ウィーバー
   (NORTHERN GOLDEN ORB WEAVER)
学名 ネフィラ フィリペス
   (NEPHILA PILIPES)
分類 クモ目、ジョロウグモ科、
   オオジョロウグモ属
種類 クモ類
全長 35〜50cm(メス)
   7〜10cm(オス)
分布 日本(沖縄県)
   東アジア、東南アジア、南アジア、
   オーストラリア、他
出現 春〜秋
食性 昆虫類
   鳥類(メジロ、スズメ、シジュウカラ)
撮影 沖縄県宮古島

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