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落文
落文 (オトシブミ)
コウチュウ目、オトシブミ科の昆虫。
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このオトシブミの名の由来は、葉の一部を切り
裂き器用に揺籠(ユリカゴ)を作ること。
この中に卵が産み付けられていて、その中で
産まれた子供は母親が丁寧に作り上げた揺籠
より、その安全と食料の両方を得るもの。
落文とは言っても、その葉で作られた揺籠は
地面へ落とされる訳ではない。ちゃんと新鮮
な葉を子供が食べられる様、葉脈という一番
大切な部分だけちゃんと残した状態で枝から
ぶら下がったままのカタチなのである。
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この母親は、20〜30もの卵を一生で産む。
そしてその度に、ひとつひとつ大切な子供の
数だけ揺籠を作ってあげるのである。
そんなオトシブミは一年でその一生を終える。
虫といえど、その母が子の為に頑張る姿には
優しさを感じる。
次に産まれる自分の分け身である命への贈物
の揺籠、見つけたならそっと見守ってあげて
欲しい。
オトシブミは東三国の公園で見つけ撮影。
揺籠の写真はネットからお借りした。
和名 落文 (オトシブミ)
洋名 リーフカット ウィービル
(LEAF-CUT WEEVIL)
学名 アッテラビダエ ビルベルグ
(ATTELABIDAE BILLBERG)
Attelabidae Billberg
分類 コウチュウ目、カブトムシ亜科、
ゾウムシ上科、オトシブミ科
種類 オトシブミ
全長 5〜10mm
生息 日本全土
出現 5〜8月(成虫)
樹種 クヌギ、ナラ、ハンノキ、クリ、ニレ
なお、この落文の名前の由来は、江戸時代に
他の人にはバレない様に手紙を地面に落として
文通のやり取りをした「落とし文」が語源。