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大和小灰蝶


大和小灰蝶 (ヤマトシジミ)


シジミチョウ科、ジゼリア属、のシジミチョウ


関東で最も見かけられるシジミチョウは
このヤマトシジミで、関東出身の私にも
とても馴染みの深いシジミチョウとなる。


幼虫の食草は片喰(カタバミ)となっており
生命力の強いこの植物あればヤマトシジミ
も安泰となる。どんなカタバミでも良いと
言うわけではなくて、外来種のカタバミは
食草の対象外となる。


シジミチョウの羽を飾る模様は、我々の顔が
それぞれ違う様に、個体差がここに現れる。


かつてバーの中で知り合った、『月刊むし』
という虫を専門とされる本の編集者の方で
日本鱗翅学会、日本鞘翅学会等会員でもある
先生と虫談義で意気投合し、とても盛り上る
機会があった。私は子供の頃は、植物よりも
虫類ばかり追いかけていたのである。なので
虫図鑑が友達であり殆どの虫は名前や生態が
分かるのだが、この蝶と蛾だけはあまりにも
種類が多いことから名前の判別が難しいので
放棄した過去がある。過去と言っても小学生
の時の私の事を指している。


その先生は、『日本のゼフィルス』という本
に関わられており、このゼフィルス(シジミ)
の専門家であったのである。どひゃー、何と
恐れ多い。そんな先生だったが、虫談義にて
楽しく語りあい、とても楽しい時間を過ごす
事になったのである。


蝶の新種を海外で発見もされ命名されたとの
同氏に、蝶の品種の見分け方を教わる。


それを見分ける方法は生殖器(交尾器)なのだ
そうで、『日本のゼフィルス』の後ろのページ
には、ずらりと交尾器のイラストが並んでて
これを分析する作業のは、大変な作業を経ての
事だと思ったのである。


今ではDNA鑑定という方法が主流にもなり
つつあるらしいが、それによって先人の方々
の努力が逆転する場面もあったりするのだと
教えてくださったのだ。



さて、このシジミチョウ科のこれらの一部の
チョウを指して『ゼフィルス』と呼ぶ由来は
ギリシャ神話に関係するもので『ゼフィルス』(ZEPHYRUS)はギリシャ神話に登場する
西風を司る神の名前である。


ゼフィルス(西風)とは温暖で穏やかな風で
新しい季節の到来を告げる風として知られて
いるもので、同じ様に初夏に出現して美しい
翅を広げて飛び回るシジミチョウのその様子
がまるで季節を運ぶ風のようだとのことから
この名前が付けられたのである。


この『ゼフィルス』という神だが、その姿を
絵画好きな方なら必ず見られている事と思う。


ボッティチェリの有名な『ヴィーナスの誕生』


誰もが知るこの有名な絵画の中の左側の上部
からヴィーナスの誕生を祝福して、その息を
吹きかけてるのが西風の神『ゼフィルス』。


その横で同じく祝福の息を吹きかける女神は
『アウラ』という名の、花を司る神様であり
ヴィーナス誕生の瞬間に『薔薇』という花を
この世に初めて誕生させた瞬間を表した絵と
なっている。薔薇の原種は平咲だったのだと
この絵で分かるのである。



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和名 大和小灰蝶 (ヤマトシジミ)
   大和蜆蝶 (ヤマトシジミ)
洋名 ペイル グラス ブルー
   (PALE GRASS BLUE)
学名 ジゼリア マハ
   (ZIZEERIA MAHA)
分類 チョウ目、アゲハチョウ上科、
   シジミチョウ科、ヒメシジミ亜科、
   ヒメシジミ族、ジゼリア属、
   ヤマトシジミ種
種類 シジミチョウ類
全長 15mm
生息 日本(本州〜南西諸島)
出現 4〜11月
   年中(沖縄)
撮影 服部緑地都市緑化植物公園

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