【毎週ショートショートnote】お題:「手加減無用鍋」
<とある大学の下宿先>
地方から来た学生で、年末年始に帰省しない男共が一同に集まった。
「寒い時期、一人鍋って言うのも味気ないから、俺らで鍋勝負でもしようやや。お互いの自慢の鍋料理で一番ダメージ与えた奴が勝ちってことで」
「ダメージってなんやねん。うけるわー」
「じゃぁ俺からな、鍋に塩ラーメン2袋をいれて、キャベツとネギを山盛りいれるんだ。名付けて『イケメン鍋』」
「おー美味いわ。結構ガッンとくるよな」
「でも、イケメンは悪い奴か、もっと悪い奴しかいねぇぞ」
「大ダメージ~ なら、超イケメンの俺は極悪人てことだな?」
「ひゃはは!お前ら手加減なしだな」
「おう、お前の鍋も紹介しろよ」
「僕の鍋は豆腐とシイタケを入れたやつです」
「ぎゃはは!単なる湯豆腐じゃぁねぇか!」
「お鍋熱いから気を付けてね。そうだ!手袋貸してあげるよ」
「鍋掴みじゃなくて、手袋しかねぇのかよ~」
「ごめん、その手袋は母さんが夜なべして作ってくれたやつなんだ」
「手加減無用のガチなのはやめろよ」