[スマートコミュニティ]配達ロボットが乗用車利用を減らす
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イギリス中部の都市ミルトンキーンズは、実験都市として自動運転、シェアモビリティ、マイクロモビリティ、5G、配達ロボットなど最新の技術の実証実験が行い、積極的に導入している。空質改善と交通渋滞を減らす効果を狙い3年前配達ロボットが導入された。市によるとロボット50台で週1000回分の乗用車での移動を減らせるとの試算をしている。AIを活用した電動の自動運転ロボットは運用から3年経った今、アプリで注文した食料品やレストランの食事を家の前まで配達してくれる。ロボットはコミュニティーの一部となっている。
英国のミルトンキーンズでは3年前から配達ロボットが導入されている。時速6キロで動くロボットは追いかけてみると徒歩では追いつかないくらいの速さだ。
ロンドンと違い、計画都市として都市計画がすすめられたミルトンキーンズは車道と歩道が分かれていて、歩道は自転車も走れる。
市内の公共交通がバスしかないこの都市では一家庭あたりの車の保有率は80%以上と高く、市民は日々の買い物や通勤に自家用車を使う。そのため歩道が整備されているのにもかかわらず利用率が非常に低い。そのため市は歩道を有効利用することと自家用車の利用を減らすことを目的として電動自動運転ロボットの導入が決まった。
使い方はまずアプリで商品を予約し、配達場所を指定し、カード決済する。このアプリは登録なども必要がなく、いたって簡単に注文ができる設計になっている。
注文を受け、店員が注文の品をロボットに積載する。
積載が済むとロボットはアプリで指定された場所まで自動で移動し、到着すると注文者の携帯にメッセージが送られる。
アプリで操作し、ロボットの蓋をあける。
商品をうけとると、アプリに蓋をロックボタンが現れる。ロックするとロボットからthank you for shopping(毎度ありがとうございました)と録音されたボイスメッセージが流れる。
コロナで外出制限が出ていた時期もロボットたちが大活躍していた。
導入当初は住民や犬と鉢合わせしたときに犬がほえたり、子供たちがおもしろがって通せんぼすることがあったがすぐに社会に受容され、今では人がロボットに道を譲るようになり、ロボットにちょっかいをだす子供もみかけなくなった。日常の歩道の一部になっている。
開発運営会社スターシップによると、ロボットはセンサー各種(カメラ、ULTRASONIC、レーダー、GPS,オドメータ)を積載している。カメラとポイントクラウド技術を使って自己位置推定と障害物検出をしている。99%が自動運転で稼動しており、非常時のみエストニアにあるオペレーションオフィスが遠隔操作する。障害物検出にはAI(ディープラーニング)を活用する。導入当初は障害物(駐車された車)や歩行者を検出すると長時間止まっていることがあったが今では収集データから学習し、障害物回避が機敏になっている。