「ミシンと金魚」永井みみ
年末年始のお休み中にのんびり読んだ一冊。
認知症のおばあちゃんのひとり語りで物語が進んでいく、壮絶だけど、あたたかみを感じる本。
読み進んでいくうちに本の中のおばあちゃんと自分がかさなっていく不思議な感覚を体験しました。
ふとしたきっかけで、長いこと開けていなかった思い出の引き出しが開くことがある。
わたしがおばあちゃんになったら、たくさんある心の引き出しから何がとびだすのかな。
なんでもない日常のふとした場面なのか、強烈に心動かされた瞬間なのか、、
「死ぬこと」って夢のような嘘みたいなことだと思っていたけれど、本の中でおばあちゃんとかさねた自分の死を想像して思ったことは、死ぬことも今ある日常の延長線上なんだということです。
死ぬ前に開ける心の引き出し。
どう生きることが正解かなんてわからないけれど、とにかく今を紡いで、その時を懸命に生きてみようという気持ちが湧いてきました。