見出し画像

プレゼン成功の鍵:スティーブ・ジョブズが実践した6つのルール

こんにちは、広瀬です。

先日、「アイコンタクト」や「ジェスチャー」など、プレゼンテーションを成功させるための「ボディーランゲージ」の重要性について書きました。

今日は、主にビジネス・コミュニケーション中心のSNSであるLinkedInより、Appleの創業者であり、カリスマ的なプレゼンターとしても知られるスティーブ・ジョブズの「プレゼン成功の鍵」を皆さんとシェアしたいと思います。

それは、「Steve Jobs' 6 Rules of Presentation」です。

出典:https://www.linkedin.com/in/nausheenichen/

英文は、それほど難しくないので、皆さんご理解頂けると思いますが、以下に少し補足を加えて6つのルールの和訳を載せておきます。ボディーランゲージの習得と、この6つのルールを習得すれば、あなたもスティーブ・ジョブズのように、聴衆を魅了する、影響力のあるプレゼンテーションができるようになるでしょう。

1. Simple Is Sexy(シンプルさは魅力的)

プレゼンテーションでは、シンプルで分かりやすく、小学3年生でも理解できるような言葉遣いを心がけましょう。専門用語や複雑な表現を避けることで、聴衆があなたの主張を理解し、記憶しやすくなります。
プロの視点: 頭字語、長文、決まり文句に注意しましょう。
ポイント:プレゼンテーションは、情報を伝えるだけでなく、聴衆を説得し、行動を促すためのものです。そのため、シンプルで分かりやすい言葉遣いを心がけ、聴衆にメッセージを確実に届けることが重要です。

2. Facts Tell, Stories Sell(事実は語る、物語は売る)

人は生まれつき物語に惹きつけられます。なぜなら、物語を通して、あなたが描写する状況を想像し、私たちを取り巻く世界を理解する方法を振り返ることができるからです。
プロの視点: 私たちは、物語を聞いて記憶するように生まれついています。物語は私たちに感情的に訴えかけ、事実よりも忘れにくいものです。
ポイント:プレゼンテーションで事実を伝える際には、単にデータを羅列するのではなく、物語を効果的に活用することで、聴衆の心を掴み、メッセージを深く印象づけることができます。

3. Use Vocal Variety(声の抑揚を活用する)

異なるポイントを強調したい場合は、声のトーン、ピッチ、ボリュームを変化させましょう。例えば、2007年のiPhone発表の際、ジョブズは「iPod、電話、そしてインターネット通信デバイス」というフレーズを、興奮を高めながら繰り返しました。
プロの視点: 自分の声を録音し、強調を加えたり、ピッチを変えたりできる場所を試してみましょう。
ポイント:声は、プレゼンテーションにおいて強力なツールです。声の抑揚を効果的に活用することで、聴衆の注意を引きつけ、メッセージをより深く伝えることができます。

4. Use Minimalist Slides(スライドは最小限に)

和訳: テキストを最小限に抑えたシンプルなスライドは、より自然で自信に満ちたプレゼンテーションにつながります。スライドを読み上げるのではなく、聴衆と直接的に関わることで、より没入感のある体験を生み出すことができます。
プロの視点: 各スライドを1つの重要なアイデアに絞り、読みやすい大きなフォントで高画質のビジュアルを使用しましょう。
ポイント:最小限のスライドは、聴衆の注意を惹きつけ、メッセージを明確に伝えるために非常に効果的です。 スライドに頼りすぎず、聴衆とのインタラクションを重視することで、より魅力的なプレゼンテーションを実現できます。

5. Rehearse, Rehearse, Rehearse(リハーサル、リハーサル、リハーサル)

これは単にセリフを暗記するだけでなく、プレゼンテーションの流れに慣れることを意味します。 こうすることで、ぎこちない場面転換をなくし、重要なポイントを明確かつ自信を持って伝えることができます。
プロの視点: 実際の会場または同様の設定で練習し、空間と音響の感覚をつかみましょう。
ポイント:プレゼンテーションを成功させるためには、内容を理解するだけでなく、実際に声に出して練習することが不可欠です。 リハーサルを重ねることで、自信を持ってスムーズにプレゼンテーションを進めることができるでしょう。

6. Own Your Space(空間を支配する)

ステージを最大限に活用しましょう。落ち着いて、歩き回り、オープンなジェスチャーを使いましょう。 こうすることで、プレゼンテーションがよりダイナミックになり、落ち着きと自信を伝えることができます。
プロの視点: リハーサルの際に、ステージを移動する主要なポイントを計画しましょう。
ポイント:プレゼンテーションは、言葉だけでなく、体全体を使った表現です。 空間を効果的に活用することで、聴衆にメッセージをより強く印象づけることができます。

7. 検証:スティーブ・ジョブズのプレゼンテーション

この章の記述は、LinkedInのサイトにはない内容で、紹介した6つのルールを踏まえてスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを分析し、彼がどのようにこれらのルールを実践していたのかを、私なりに検証した結果です。

3. Use Vocal Variety(声の抑揚を活用する)」の説明文にも出てきた2007年のiPhone発表時のYouTube動画を見てみましょう。日本語訳も字幕で表示されていますので、是非ご覧ください。また、スティーブ・ジョブズが興奮気味に「an iPod, a phone, and an internet communication」というフレーズを繰り返す際に、声のトーンを徐々に上げていくことで、聴衆の期待感を高め、iPhoneの魅力を効果的に伝えています。(2:32から始まります。)

  1. Simple Is Sexy(シンプルさは魅力的)

    • ジョブズ氏は、iPhoneを「iPod、電話、そしてインターネット通信デバイス」という3つのシンプルな機能を備えたデバイスとして紹介しました。

    • 複雑な技術仕様を説明するのではなく、「タッチスクリーンで操作できる」「インターネットを自由に閲覧できる」など、ユーザーにとって分かりやすい言葉で説明しています。

    • 専門用語を避け、小学生でも理解できるような平易な言葉を用いることで、聴衆にiPhoneの魅力をシンプルに伝えています。

  2. Facts Tell, Stories Sell(事実は語る、物語は売る)

    • 当時のスマートフォンが抱えていた問題点(キーボードの操作性、インターフェースの使いにくさなど)を指摘し、iPhoneがそれらの問題を解決する革新的なデバイスであることをストーリーで語っています。

    • 「タッチペン(スタイラス)は誰も欲しくない」というジョークを交えながら、iPhoneのタッチスクリーン操作がいかに優れているかを印象的に説明しています。

    • 従来の携帯電話とiPhoneを比較することで、iPhoneの革新性を際立たせるストーリーを展開しています。

  3. Use Vocal Variety(声の抑揚を活用する)

    • ジョブズ氏は、落ち着いたトーンで語り始めますが、重要なポイントでは声のトーンを上げたり、ゆっくりと話したりすることで、聴衆の注意を引きつけています。

    • 特に、「今日、Appleは電話を再発明します!」と宣言する場面では、力強い声で聴衆の期待感を高めています。

    • 興奮気味に「an iPod, a phone, and an internet communication」と言うiPhoneの特徴を繰り返すことで、聴衆を引き付けています。

    • 間を効果的に使うことで、聴衆に考える時間を与え、次の言葉への期待感を高めています。

  4. Use Minimalist Slides(スライドは最小限に)

    • プレゼンテーションのスライドは、iPhone本体やインターフェースのイメージ、そして重要なキーワードのみで構成されており、非常にシンプルです。

    • 余計な情報や装飾を排除することで、聴衆の視線をiPhoneに集中させ、メッセージを効果的に伝えています。

    • スライドの切り替えもスムーズで、聴衆の集中力を途切れさせません。

  5. Rehearse, Rehearse, Rehearse(リハーサル、リハーサル、リハーサル)

    • ジョブズ氏のプレゼンテーションは、スムーズな流れ、自然な間、そして自信に満ちた話し方から、入念なリハーサルを重ねてきたことが伺えます。

    • デモも完璧に行われており、製品に対する深い理解と、プレゼンテーションスキル の高さが見て取れます。

    • 言葉に詰まったり、言い間違えたりすることなく、スムーズにプレゼンテーションを進めています。

  6. Own Your space(空間を支配する)

    • ジョブズ氏は、ステージ上を動き回りながら、アイコンタクトやジェスチャーを効果的に使い、聴衆を惹きつけています。

    • 時折、笑顔を見せたり、ジョークを交えたりすることで、聴衆との距離を縮め、親近感を与えています。

    • ゆったりとした動作で、落ち着きと自信を感じさせます。

結論として、このプレゼンテーションは、スティーブ・ジョブズの6つのルールを全て満たしており、彼のプレゼンテーションスキルの高さを改めて証明するものと言えるでしょう。

やはり、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは素晴らしいの一言に尽きます。


今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

広瀬 潔(HBR Advisory Council Member)
いつも読んでいただき、ありがとうございます。この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。ご支援は、より良い記事作成のために活用させていただきます。