「ソニー半導体の奇跡」
お荷物集団の逆転劇
私はこういう言葉に弱いので、読んでみました。
読めば元気がわいてくるかというと、ちょっと違いました。ソニーも普通の会社で、彼らはその中をなんとか生き残ってきたんだな、という印象が強いです。
一時期カメラに凝っていたので、裏面照射型CMOSイメージセンサーの話は興味深かったです。HDR-XR520V、DSC-WX1はソニーでしたが、IXY 30S、EXILIM EX-FC150にも搭載されているとは知りませんでした。
パラダイムシフト
井深氏が社内の「部課長会同」で講話した時に、「アナログがデジタルに変わるとか、通信がどうだとか、当たり前のことばかりでそんなのちっともパラダイムシフトなんかじゃない」と言われたそうです。5GやDXがどうだとか、パラダイムシフトなんかじゃない、と言われそうです。
ハワード・ストリンガーとの1 on 1
イメージセンサーを外販するための設備投資の話を持ってくることに対して、ハワードから「お前はソニーのライバルである携帯電話メーカーやカメラメーカーの味方なのか?」と問われたそうです。
私には、ハワードはソニーをどうしたらいいのかわからなかったように見えます。でも、ジャック・ウェルチのような人なら、半導体事業は売却されていたかもしれません。
開発予算
4Kアップコンバーターを開発していた当時のソニーは、開発費用は事業部がスポンサーにならない限り、予算を認められないという仕組みだったようです。ソニーもそんな会社だったんだ、とちょっと驚きました。もっとも、半導体事業本部の予算で賄ってしまったようですので、そこがソニーらしさでしょうか。
今はどうなんでしょう。出てくるモノが小粒な印象なので、あまり変わっていないかもしれません。
続編を期待
著者は他にもいろいろ言いたいことがありそうなので、続編も読みたいです。