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よわいゆうしゃ

このまちにはゆうしゃがいる。

ゆうしゃはまものをやっつけるのがしごと。

だけどこのゆうしゃはいつもにげてばっかり。

だからまちのひとからきらわれている。

そしてみんなからこうよばれている。

「よわいゆうしゃ」だと。


となりのまちにもゆうしゃがいる。

まものがでたらすぐにやっつける。

だからまちのひとからすかれている。

そしてみんなにこうよばれている。

「つよいゆうしゃ」だと。

あるときまおうがあらわれ、ふたりはまおうのもとへとむかった。

つよいゆうしゃはまものをたいじしながらすすんだ。

よわいゆうしゃはまものからにげながらすすんだ。

そしてふたりはまおうのもとへたどりついた。

つよいゆうしゃはまおうをたいじしようとした。

でもまおうはつよい。たおせなかった。

よわいゆうしゃはまおうにきいた。

「なんでひととまものはたたかうの?」

まおうはいった。

「こいつみたいにひとがまものをおそうから」だと。

よわいゆうしゃはあやまった。

「ごめんなさい」

まおうもあやまった

「やりかえしたわたしたちもわるかった」

よわいゆうしゃとまおうはなかなおりした。

ひととまものもなかよくなった。

よわいゆうしゃのおかげでせかいはへいわになった。

ううん、よわいゆうしゃはよわくなんてなかった。

とってもつよいやさしいゆうしゃだった。

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