中学受験 併願校におすすめ! 「子どもの得意を活かす 独自入試・新タイプ入試とは?」
2月1日の中学入試本番まで3カ月をきりました。
この時期、ご家庭で受験校・併願校を具体的に決めておくことで、12月に入ってから『出願準備』をスムーズに始めることができます。
今回のブログでは、近年注目を集め導入校が増えている『独自入試・新タイプの入試』についてご紹介します。
受験校・併願校選びの参考にしてみてください。
独自入試・新タイプ入試とは?
私立中学校の入試は、国語・算数・理科・社会の4教科、学校によっては国語・算数の2教科を受験科目とし、教科ごとに試験問題と試験時間が決められている内容が主流です。
一方で、『独自入試』『新タイプ入試』と呼ばれる入試は、複数の教科を統合した内容や子どもの得意をアピールする入試内容など、教科ごとの試験ではない各中学校が作成したオリジナルの入試内容を指します。
以前から、帰国子女対象の英語入試やスポーツや特技で一定の成績を修めた子ども達を対象にした自己アピール型入試・推薦入試はありましたが、近年は教科の筆記試験では測れない子ども達の「思考力や問題解決力」「潜在的な可能性」を発掘する目的の入試タイプが増加傾向にあります。
背景には、適性検査試験を実施してきた公立中高一貫校の実績が高いこと、小学校で英語やプログラミング教育が必修化になったこと、大学入試改革における思考力・判断力重視の教育方針などが考えられます。
また、首都圏の中学受験者数は年々増加傾向にあり、小学4年から中学受験専門の塾に通っていない子ども達が中学受験にチャレンジするケースも耳にします。
独自入試・新タイプ入試が子どもに求めているもの
2021年度の首都圏の独自入試・新タイプ入試実施校は国立・公立・私立中学校合わせて約200校。
主な「独自入試・新タイプ入試」の実施目的は『入学してから伸びる子どもの「潜在能力」を見つける』ことのようです。
例えば、藤村女子中学校(武蔵野市吉祥寺)の「ナゾ解き入試」の評価項目は「行動力」「会話力」「考察力」「洞察力」「発想力」です。
中村中学校(江東区清澄)では、子どもが自分の言葉で表現(エクスプレス)する力を問う「エクスプレス入試」を実施しています。
社会ではこれまで想定していなかった出来事が多く起きています。
これからの社会に生きていく子ども達には、「困難にぶつかった時に自分で解決策を考え、自らの力で乗り越えていく力」や「自分の考えを相手に理解してもらい協力し合うための表現力」などが必要になるでしょう。
導入校は入試において上記のような力を持っているかどうかを子ども達に問いかけているのです。
通塾していない子どもにとっては受験にチャレンジできるチャンスですし、中学受験専門塾で勉強してきた子どもにとっても、教科試験だけではアピールできない自分の潜在的な力を発揮するチャンスではないでしょうか。
独自入試・新タイプ入試の対策
独自入試・新タイプ入試に対してどのような対策をおこなえばよいのでしょうか。
まずは気になる学校に足を運び、学校がどのような目的で独自の入試をおこなっているのかを知る必要があります。
学校パンフレットや学校説明会で試験日や試験内容をチェックし、過去の試験内容・評価基準・実際の合格人数などの詳細情報は個別相談会で担当の先生に確認をすることをお勧めします。
「自己アピール入試」といっても、「公式の大会などで一定の成績を修めていること」が条件の学校と習いごとや頑張ってきたことから「学んだことを自分の言葉で伝えること」が評価対象の学校があります。
それぞれの中学校で入試の対象者や評価基準は異なっていますので、気になる学校の情報をしっかりと収集して分からないことは学校に問い合わせましょう。
①学校説明会や個別相談会で、対象者や選考基準を確認する
②新タイプ入試の体験会や対策講座に参加する
③学校ホームページの入試内容紹介動画や記事を参考にする
④作文やプレゼン資料は個別指導の先生や家庭教師の先生に添削してもらう
⑥面接練習やプレゼン練習を家族や家庭教師の先生にみてもらう
独自入試・新タイプ入試の紹介
■英語力
帰国子女に馴染みのある英語入試ですが、近年では英検5級~準2級レベルの英語が好きな小学生を対象とした入試も増えています。
・英語入試
・英語資格利用入試
例)桐朋女子中学校/Creative English入試
桜丘中学/英検+英語インタビュー入試(算・英)(英検取得級に応じて保証点あり)
■理系力
与えられたテーマに基づいて、実際に実験や観察を行い、その結果をレポートなどにまとめたり、科学や自然環境に関する文章や写真を見て、科学的な根拠に基づく自分の考えを説明する入試です。
・理科/サイエンス型入試
・プログラミング入試
例)橘学苑中学校/ネイチャーイン入試(自然・動物・昆虫とのかかわりについて作文、プレゼンテーション)
駒込中学校/プログラミングSTEM入試(Scratchを使ったプログラミング)
■アピール力
小学生時代に打ち込んできたスポーツや習いごとなどから何を学び、どのような力が身に付いたかを面接官の先生にプレゼンテーションする試験です。自分が好きな本やおススメの本を紹介したり、SDG’sといったテーマに沿って自分の考えを伝える試験もあります。
・自己アピール型入試
・プレゼン入試
・ビブリオバトル・読書プレゼン
・ポテンシャル入試
例)横浜隼人中学校/自己アピール入試(小学校時代に自分が頑張ってきたことを作文と面接で主張)
アレセイア湘南中学校/ポテンシャル入試
宝仙学園中学校共学部理数インター/読書プレゼン入試
■思考力
公立中高一貫校で実施されている教科横断型の「適性検査型入試」タイプです。
中高一貫校が第一志望校の子ども達も多く受験します。
問題文や資料から情報を読み取り、自分なりの考えを文章でまとめることが好きなお子様におすすめ。
・適性検査型入試
・思考力入試
・総合型入試
・探求型入試
例)桜美林中学校/総合学力評価テスト
自修館中等教育学校/探究Ⅰ・Ⅱ
■表現力・会話力
自分の考えや思いを「ことば」で表す自己表現力を問う入試です。
人と話すことが得意なお子様におすすめ。
・言語表現型入試
・エクスプレス入試
・グループワーク型入試
例)品川翔英中学校/グループワーク入試
女子聖学院中学校/BaM表現力入試(「ことば」による自己表現と学びに向かう姿勢を評価)
併願校にもおすすめ
中学受験が多様化しているとはいえ、多くの受験生は小学4年生から塾に通い、この時期は毎日受験勉強に励んでいるのではないでしょうか。
子ども達の何年間もの努力が、たった一日のたった一枚のテストで測られてしまうのが中学受験の厳しい現実です。
受験校や併願校のパターン作成は、中学受験における保護者の大きな役割の一つです。
パターン作成が盤石であれば、どんな結果になったとしても「満足の中学受験」としてゴールできると言われています。
併願校に自分の得意が活かせる学校が一校でもあれば、子ども達の心に少し余裕が生まれるかもしれません。
実際に新タイプの入試を受験した先輩は「自分がこれまで頑張ってやってきたこと、自分の考えや想いをぶつけることができる機会がとても貴重で楽しい経験だった」と感想を述べています。
また、独自入試や新タイプ入試は教科受験とは別の日程や午後試験の場合も多くあります。
併願校の一校に、今回のブログで紹介した新タイプの入試導入校を検討してみてはいかがでしょうか。