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合格可能性20%の志望校を受験するためのポイント!

中学受験本番まであと3カ月ほど。週4日~5日の通常授業に加えて週末の志望校別特訓や日曜特訓で勉強を頑張っている子ども達の姿に、親も身の引き締まる思いです。
これまで中学校のイベントに参加したり、学校パンフレットを見て漠然と考えてきた子どもの志望校を実際に受験校にするかどうかを考えなければいけない時期になってきたようです。

 我が家では、娘の学習モチベーションアップを第一に考え、娘の憧れる私立中学校を第一志望校としてきました。しかし、そんな夢心地から親子共に一気に現実に引き戻されるのが合格判定模試の結果。
志望校の「合格可能性」です。
 
 6年生になり、およそ一か月に一度のペースでおこなわれている「合格判定模試」。10月の時点で合格可能性20%の学校をこのまま志望校として大丈夫なのでしょうか。子どもの現時点での偏差値帯を基準にした中学校を第一志望校に変えたほうがよいのでしょうか。
 同じように悩んでいらっしゃる方も少なくないと思います。

 そこで、今回はこの時期に各塾やセンターがおこなう「合格判定模試」を紹介し、合格可能性の受け止め方についてみていきたいと思います。
また、当日の合不合の結果を分ける「出題傾向と子供の相性」、合格のために秋からできる学習の取り組み方もご紹介します。

1.合格判定模試とは

まずは主に首都圏でおこなわれている合格判定模試についてご紹介します。
ポイントは、子どもの志望校を受験予定の生徒が多く参加している模試を選ぶことです。ライバルになり得る受験生の中での自分の立ち位置を確認することができます。

 私立中学校会場での受験機会は有効に活用しましょう。いつも通っている塾とは異なる会場で様々な塾生と一緒に緊張しながら受験することができます。また模試によっては自分の志望中学校が会場となっている場合もありますので、本番に近い環境を疑似体験できる絶好のチャンスだと思って受験することをおススメします。

首都圏模試センター 統一合判模試

【今後の試験日程】
・11/3(水・祝)
・12/5(日)
【合格可能性判定校の数】
・志望校6校判定(全入試を判定)
【受験会場】
・自宅受験
・私立中学校会場
・塾会場

多くの中学受験生が受ける模試といわれていますが、難関校を目指す受験生はあまり受験していないようです。
「思考力型入試」・「プログラミング入試」・「プレゼン型入試」など、これまでにない新たな入試に合わせて、2020 年度から「偏差値」による相対評価と「思考コード」による絶対評価の2 軸を使用した模試にリニューアルしています。

日能研 合格判定テスト

【今後の試験日程】
・10/31(日)
・12/5(日)
【合格可能性判定校の数】
 A判定登録校 8校(試験日が重複しないこと。午前入試と午後入試は試験日の重複可能)
 B判定登録校 4校
(試験日の重複が可能。A判定登録校に入れられなかった学校を4校まで登録可能)
【受験会場】
・日能研校舎会場
・私立中学校・高校・大学会場

小学生のための中学受験塾<日能研>に通塾する生徒や外部生など全国12,000人以上が受験。合格判定結果は翌日にWeb配信されます。

四谷大塚 合不合判定テスト

【今後の試験日程】
・11/14(日)
・12/12(日)
【合格可能性判定校の数】
・志望校6校判定(試験日が重複しないこと。午前入試と午後入試は試験日の重複可能)
【受験会場】
・四谷大塚校舎会場
・私立中学校会場

80校以上もの私立中学校が受験会場となっているので、志望校の教室で受験できるチャンスがあります。
テスト後に、自宅のパソコンやタブレット・スマホで解説授業が受けられます。
中堅校・難関校を目指す多くの中学受験生が受験。四谷大塚に通う塾生・「予習シリーズ」を教材に使用している早稲田アカデミー生・地域の塾に通う生徒も受験しています。

サピックス 合格力判定サピックスオープン

【今後の試験日程】
・10/24(日)
・11/14(日)
・12/5(日)
【合格可能性判定校の数】
・志望校詳細判定10校(WEB簡易判定は自由に何校でも判定が可能)
【受験会場】
・サピックス校舎会場
・私立中学校会場

サピックス主催の基礎学力の到達度を測るためのテスト。難易度が一番高く、成績表の偏差値は、日能研、四谷大塚の偏差値より10ポイント程度低め、首都圏模試より15ポイント程度低めだといわれています。

次にテスト結果と成績表の合格可能性についてはどのように受け止めたらよいでしょうか。
例えば四谷大塚の合不合判定テストは、4月から12月にかけておこなわれる6回のテストで受験に必要な領域をすべて網羅して出題されます。
そのため、自分が受験した回のテストが得意分野であれば、得点は高くなりますし、苦手分野であれば得点は低くなります。

また、大勢の受験生の答案を短期間で採点しなければいけないという事情から、出題傾向は選択問題や知識を問う問題が多くなり、途中式や解答に至るまでのプロセスに対して部分点がもらえるということはありません。

 このように考えると、合格判定模試では子ども達ひとり一人の志望校に対して正確な合格可能性を測ることは難しいといえるのではないでしょうか。

2.志望校の出題傾向と子供との相性

 合格判定模試の結果と実際の受験結果はどのくらい関係があるのでしょうか。
秋の合不合判定テストの結果が20%であったにもかかわらず、志望校に合格した方達の体験談には、ある共通点があります。

・志望校の過去問では合格者最低点をクリアしていた。
・学校別オープン模試では手応えがあった。
・志望校の受験本番の試験内容が得意分野だった。

つまり、実際の試験内容はそれぞれの中学校によって特徴がありますので、多くの偏差値帯の受験生を対象にした模試よりも、志望校の過去問や志望校別の模試の結果を大切にしたほうがよいということです。

さらに、志望校の出題傾向が子どもに合っているかどうかという「相性」も大切になります。
ここで、よく取り上げられる特徴的な出題傾向と子どもの相性をご紹介します。

①問題量と試験時間 
 例えば国語の問題は、問題文の文字数と試験時間のチェックをしてみましょう。長文を読むことが得意なお子さんには、短時間で長文読解が出題される志望校との相性はピッタリだといえます。
反対に長文読解が苦手な場合は、漢字や熟語、ことばの意味についての出題があれば得点源にできますので、出題傾向をよく確認しましょう。

②知識確認問題と知識応用問題
 算数では、基礎的な問題を早く正確にたくさん処理することが得意なタイプと初めてみるオリジナル問題を前にしても動じることなく、自分なりの解法を考え試行錯誤しながら答えを導き出していくことが得意なタイプがいます。

③記述説明問題と記号選択式問題
 理科や社会でも単に知識が問われる問題形式と知識を横断的に使って説明する力を問われる問題があります。理科や社会であっても、計算が必要であったり、理論的に説明する文章力が必要とされる場合があります。

④物語文と随筆文
 国語の読解問題に物語文をまったく出題しない中学校もあります。物語文で登場人物の心情や描写を読み取ることが得意タイプか、随筆文で筆者の論点を読み取ることが得意なタイプか。どちらも得意であれば問題ありませんが、年度によってどちらが出題されるか分からない中学校の場合は、子供の得意な問題だった場合は高い得点となるでしょう。

3.志望校合格のための学習法【志望校の過去問分析】

志望校に合格するためには志望校が出題する入試問題で合格最低点を上回る得点を得ればよいわけです。
 志望校別の模試や予想問題、過去問を解き、出題傾向を分析し、忘れている知識はテキストを見直して整理する。解説を読んでも分からない問題は教えてもらうといった作業が合格に近づくためには重要といえます。

 本番と同じ大きさの問題用紙や答案用紙の用意も大切です。算数の問題用紙と解答用紙が一つになっていて、途中式や筆算など解答までの全ての過程を採点の対象としている中学校もあります。
その場合、頭で考えたことを見やすく、図や式・言葉で表すことが必要となりますので、用紙の余白部分などが事前に分かっていれば気持ち的に余裕がもてることでしょう。

 また、最近の出題傾向としては大学共通テストで求められる力を意識した問題が出題されています。
 テキストに正解が載っていない問題が出題された時に自分の考えを分かりやすく文章でまとめられる力は、それこそ合格判定模試では測れない力です。
日頃の日常生活で疑問に感じたこと、ニュースで話題になっていることについて家族で意見を出し合ってみたりすることも大切だといえます。

4.個別指導や家庭教師の活用で志望校に近づく!

志望校合格のための学習法で紹介した『志望校の過去問への取り組み』ですが、効果的に学習するには「緻密なスケジュール管理」「子どもの理解度の把握」「分からない問題を教える」といった対応が必要になります。

 大手の集団塾ではそういった各個人の志望校への対策まではなかなか手が回らないため、ご家庭で個別に取り組んでいる場合が多いようです。
しかし、家庭での負担はかなり大きくなります。子どもの学習のために保護者は多くの時間をとられますし、子どもは保護者のプレッシャーを感じてしまうこともあります。

 我が家の場合は、過去問対策は個別指導の先生にお願いしています。
いきなり志望校の過去問を解くのではなく、まずは志望校と問題傾向が似ていて子供の偏差値より低い中学校の過去問題を用意してくれました。
 間違った問題はテキストを見直したり、先生に解き方を教えてもらって『過去問ノート』にまとめていきます。次の過去問受験までにノートに書いたことを理解・覚えてくることが宿題です。

このようなきめ細やかな指導は個別指導や家庭教師の先生だからできることではないでしょうか。
塾図鑑やこの秋リリースの家庭教師図鑑には、先生自身が中学受験を経験したり、中学受験合格の指導実績を持っている先生もいらっしゃいます。
 しかもオンライン専門授業なので、授業料は対面授業よりずっとお得。通塾や派遣型家庭教師に依頼する金額と同じ金額で、複数科目を教えてもらうことも可能かもしれません。

 是非、子供の伴走者となってくれる先生を見つけて、受験当日まで諦めずに頑張っていきましょう!

5.まとめ 【一番大切なことは試験当日の体調と気力】

志望校に合格した子ども達に共通していることは「絶対に志望校に合格したい!」という誰にも負けない強く熱い意志です。
受験に「絶対」はなく、当日の体調や気力に結果が左右されることも少なくありません。

 受験当日まで学習のモチベーションがアップするのであれば、塾の先生がどう判断しようと誰が何と言おうと、子どもが強く志望する中学校を第一志望校として本番まで勉強を続けることも一つの選択肢だと思います。

 その場合は、もしもに備えた併願校対策は忘れずにおこなってくださいね。
中学受験先輩ママのアドバイスが満載の「中学受験Q&A 志望校・併願校の選びかた」をぜひ参考にしてみてください。

 何より大切なのは受験当日に「絶対に合格する!」という気力が子どもに充満していることではないでしょうか。

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