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【三重県立昴学園高校様】生徒の探究心を育む!デザインシンキング研修で地域課題解決型の学校設定科目「大台探究」を進化

2024年12月27日(金)、三重県立昴学園高等学校にてデザインシンキング研修を開催しました。

 ◾️研修概要 
参加者:DXハイスクールに取り組む先生方
人数:10名弱
開催形式:対面

弊社の髙井潤が講師を担当し、「探究的な学びを深めるデザインシンキング研修」をテーマに、デザインシンキングを活用した学校課題へのアプローチについて、具体的な事例を交えながらお伝えしました。

本記事では、本研修の開催背景や意義についてご紹介していきます!


開催背景

三重県立昴学園高等学校は、地域課題解決型の学校設定科目「大台探究」を通じて、生徒の探究心を育み、未来を担う人材育成に取り組んでいます。この度DXハイスクールに採択された同校は、ICTを活用し、デジタル等成長分野を支える人材(DX人材)の育成を見据えた「大台探究」のさらなる深化を目指しています。

エデュテクノロジーは、同校の「大台探究」における学びの充実を図るため、「理数系教育の充実」「教職員の指導力向上」の2つの取り組みを支援しています。その「教職員の指導力向上」の取組の一部として、「探究的な学びを深めるデザインシンキング研修」をご提供をさせていただきました。

デザインシンキングって?

デザインシンキングは、もともとはデザイナーが新しいものを生み出すための考え方ですが、今では色々な場面で活用されています。日々刻々と変化する時代にあって、社会に求められる学校のあり方も急激に変化してきています。

学びの改革や働き方改革、DX化等、学校が抱える諸課題は、これまでの経験や知見だけでは解決することが困難になっています。デザインシンキングは課題解決に向けた1つの手法になりますが、学校が抱える諸課題の解決には大きな力を発揮できるものです。

今回の研修では、「課題を整理して解決する手法を学ぶ」をねらいとして、
デザインシンキングの5段階モデルの中でも、「共感」「問題定義」にフォーカスし

・当事者の立場になって考える
・課題を抱える人に共感する

ことをワークを通じて体験し、学びを深めていただきました。

デザインシンキングの5段階モデル(概略)

  1.  課題を抱える人の気持ちになって課題を捉える:共感
    課題を抱える人は誰でしょうか?その課題を自分の視点や考えで捉えていては、本当に解決すべき課題にたどり着くことはできません。課題を抱える人の気持ち(ユーザー視点)になって、課題を観察することが必要です。

  2. 問題をきちんと見つける:問題定義
    課題を抱える人の気持ちになって課題を整理して、課題の根本原因である問題を明確にします。

  3.  みんなでアイデアを出し合う:創造
    解決策のアイデアをたくさん出します。この段階では、アイデアの質よりも量を重視します。また、実現できるかどうかにこだわらず、自由な発想で、色々なアイデアを出し合います。

  4. アイデアを形にしてみる:プロトタイプ
    アイデアでイメージしたものを実際に形にします。試作品になりますので修正・変更することを前提にして、身の回りにあるものを使い、あまり時間をかけずに作成することが重要です。

  5. 実際に試してみる:テスト
    作ったものの使い勝手などを確認します。使いにくい部分や改善点を見つけて、より良いものになるように改善を繰り返します。

今後予定されている研修では、次年度の課題(要望)を整理するワークを通じて、学校課題の解決に必要なものやことなど、具体的な行動につながるアイデアを導き出していきます。

研修講師を務めさせていただいて

🗣️参加者の声

研修にご参加いただいた先生方からは、大変貴重なご意見を頂戴いたしました!

「『課題と感じているのは誰か?』という問いは、これまでの自身の課題への取り組み方を振り返る上で、非常に衝撃的な内容でした。ワークショップを通して、課題を深く掘り下げていく中で、これまでいかに表層的に捉え、自分本位な解釈で解決策を導き出していたかに気づかされました。その結果、真の解決策を見出すことができていなかったのだと痛感しました。」

「ワークショップでは、相手の発言に対して『どうしてそう考えたのか?』『なぜそのように捉えたのか?』と繰り返し問いかけることで、課題の根本原因に迫ることができました。これは、まさに目から鱗の体験でした。」

🎯今後の狙い

ワークショップを通して、先生方には「自分自身の課題と周囲の人の課題は異なる」という視点を持つことの重要性を認識していただきました。

例えば、先生方が生徒とのコミュニケーションにおいて課題を感じていたとしても、生徒側も同じように感じているとは限りません。むしろ、生徒は全く異なる視点で課題を捉えている可能性もあります。真の課題解決のためには、先生自身の視点だけでなく、生徒、保護者、同僚など、周囲の人々の視点に立って課題を捉え直す「共感」のプロセスが不可欠です。

今回のワークショップで学んだ「ユーザー視点」と「共感」のプロセスは、先生方が抱える課題だけでなく、生徒たちが探究活動で直面する課題の解決にも役立つ強力なツールとなります。先生方からは、すでに具体的な課題解決に向けたアイデアや実践プランが生まれているという嬉しい声をいただいております。 今後も、先生方が「ユーザー視点」と「共感」を大切に、生徒たちの成長を支援していくことを期待しています。

講師のご紹介

髙井 潤(たかい じゅん)

1999年から埼玉の県立工業高校に14年間勤務。その後、埼玉県教育委員会事務局にてICT環境整備を含めた学びの改革に従事するかたわら、文部科学省の協力者会議委員、アドバイザー等を務める。2019 年からグーグル・ジャパン合同会社(Google for Education)、経済産業省(教育産業室)に計3年間出向し、グローバルな視点、また国策としての教育の推進に向けた取り組み等を経験。2022年より現職。

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