見出し画像

善悪の区別がつく年齢と盗難事件の問題

小学生の高学年にもなると、「他人の物を盗むことは悪いことだ」という認識はしっかりと備わっている年齢です。それでも、盗みを繰り返す子どもがいる場合、その背景には複雑な要因が隠されている可能性があります。

たとえば、家庭環境の問題心理的なストレスが影響しているケースもあるでしょう。家庭で十分なケアを受けられていなかったり、心の空虚感を抱えていたりする子どもが、盗みという行動を通して自分の存在を認めさせようとする場合もあります。

しかし、どんな背景があったとしても、「悪いことをしたらそれに向き合う」という機会を持たない限り、その子どもが自分の行動の結果を学ぶことはできません。


14歳未満の刑罰対象外という現実

日本の法律では、14歳未満の子どもは刑罰の対象になりません。この事実を子ども自身が知っている場合、「どうせ捕まらないから」という考えを持ち、盗みを続けてしまうケースがあります。このような状況が続くと、やがてその子どもは、悪いことをしても責任を取らなくても良い、という誤った認識を持って成長する危険性があります。


学校の対応がもたらす影響

学校が事件を隠蔽し、「加害者を作らない」という姿勢を取ることで、次のような問題が生じます。

1. 被害者の無力感
被害に遭った子どもやその保護者は、学校に相談しても解決に至らないことで、学校に対する信頼を失います。また、被害者自身が「泣き寝入りするしかない」と感じ、自己肯定感が低下する可能性もあります。

2. 加害者への誤ったメッセージ
盗みを働いた子どもにとって、「咎められない」という経験は、悪い行動を正当化する原因になります。さらに、「何をしても自分は守られる」という認識が根付くと、問題行動がエスカレートするリスクが高まります。中には、「悪いことをしても親が自分を守ってくれる」と言う子どももいるのです。これは、親が社会的地位のある立場であったり、権力を持っていたりする場合が多いです。

3. 学校全体の風紀の悪化
事件が解決されずに放置されると、クラスや学校全体で「お互いを疑う空気」が生まれます。これにより、子どもたちの間の信頼関係や協力する姿勢が損なわれ、教育環境が悪化します。


子どもの未来を守るために必要な対応

子どもたちが「自分の行動に責任を持つこと」を学ぶためには、学校や家庭、社会が連携して適切に対応する必要があります。

1. 問題に向き合う教育
学校は、事件を隠すのではなく、問題をオープンにして子どもたちとともに解決策を考える場を作るべきです。たとえば、全員が平等に参加できる形で盗難事件について話し合いを行い、責任を果たすことの大切さを教える機会を作ります。

2. 専門家や警察との連携
必要であれば、警察や心理カウンセラーと連携し、加害者や被害者の両方を適切にサポートします。法律が適用されない年齢であっても、社会的な責任を取る経験をさせることが重要です。

3. 家庭との協力
保護者も、学校の問題に関心を持ち、積極的に協力することが求められます。加害者となった子どもが家庭でどのような状況にあるのかを把握し、家庭環境の改善をサポートする必要がある場合もあります。


まとめ:善悪の区別を学ぶ場を作ることが教育の使命

子どもたちが盗みを働く背景には、さまざまな問題が絡んでいることがあります。しかし、その問題を理由に責任を回避させることが、その子どもの未来にとって本当に良いことなのでしょうか?

学校が事件を隠すのではなく、子どもたちが自分の行動と向き合い、責任を取る経験を積むことこそが、本当の教育です。そして、それが長い目で見て、子どもたちが善悪の区別をしっかりと学び、社会に適応する大人へと成長する基盤となるのです。

被害者、加害者、そして周囲の子どもたち――すべての子どもたちが安心して学べる環境を作るために、今こそ私たち大人が行動を起こすときではないでしょうか。

学校の対応に疑問を感じたら、保護者同士で情報を共有し、必要であれば専門機関に相談することが重要です。「エデュセーフ」では、こうした学校での問題についてのご相談を受け付けています。一人で悩まず、ぜひご連絡ください。
メール edusafechiba@gmail.com

いいなと思ったら応援しよう!