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まいにち「ニュー・マイ・ノーマル」。
Mrs.GREENAPPLEの『ニュー・マイ・ノーマル』が好き過ぎて、吐き出さないと眠れない。今から書く。
スタジオ収録も今までのライブ映像も全部いい。特に活動再開ライブ「Utopia」のアンコールは、「僕らのあたらしい常識」に向かう決別と決意を感じさせて、泣ける。
花びら降るスクリーンを前に歌う、目をほんのり赤くした大森元貴を観て、息子が「プリキュアの変身シーンみたいだ」と言った。
我が家で「プリキュア」は概ね「ハートキャッチ!プリキュア」を指す。
ああ、本当だ。
引っ込み思案でコンプレックスまみれの花咲つぼみが「大地に咲く、一輪の花!」と力強く宣言し、キュアブロッサムに変身するシーンが、腕を広げるヴォーカリストと重なる。
弱い私を、強くしてくれる曲。
『私は最強』から入り、『ケセラセラ』を支えに出勤し、後追いで聞き始めて沼に落ちてしまった。
2年間の活動休止を経て、フェーズ2として生まれ変わる自分たちを鼓舞する『ニュー・マイ・ノーマル』。
見たことないミセスを見せてやる、という気負いをキラキラにラッピングしたターニングポイントの一曲。もしかしたら、J-POPシーンにおいても。だって、ちょっとしたプログレなんですよ。展開が多くトリッキー。
上映中の音楽劇『White Lounge』に収録されているバージョンを、くり返し聴いている。
今日も駅を降りて公園の入り口が見えると、再生を押す。ここから聞き始めると、出勤BGMのラスト一曲にちょうどいい。
通常版では夜明けを感じさせるギターの入りを最高だと思っているが、今はこちらに夢中。メトロノームっぽい音に乗せた人々の喧噪が途切れて、柔らかな声が滑り込んでくる。
♪ エンドレス 鳴り止まない
酸いも甘いも ひっかき傷も 愛して ♪
この「酸いも/甘いも」の声のトーンの使い分け、そして「愛して」の震えを帯びた包容力。芝居を混ぜたライブなので、感情が強く乗っている。
「いーーつもあなたに伝えたくて」のサビの「い」が「い」と「え」が混ざった感じで気合いが入っている。
楽器としての大森元貴ヴォイスの一番好きな音は、この地声で出すハイトーンの朗らかな鳴り。あの曲この曲の歌詞を読むとこじらせまくっているのに、祝福のファンファーレにふさわしい音が鳴る、不思議な楽器。
スタジオ版ではサビ前のナンダナンダと耳を持っていかれるドラムとか、ジャキジャキのギターときゅるきゅるキーボードの掛け合うイケてる間奏とか別の聞き所があるが、WhiteLounge版では役者達の会話ががちゃがちゃと展開される。
うるさいな、と思う辺りでふっと途切れる。
♪ 人間の数だけ すれ違いが起きてて たまにイヤになる ♪
物語を補完する歌詞がゆるやかに流れてくる。ここの間に緊張感を持たせることで、次のパートの解放感が際立つ。毎日まいにち私を苦しめる人間関係のイヤなことをぎゅっと溜めてためて、鳴り響く「プリキュア!オープンマイハート!」。
♪ ロマンスの香りに 誘われて 出会って
恋をまた知って 愛に怒られて ♪
私はいつもここで、自分が花に包まれて空に浮かび、プリキュアになる妄想にとらわれる。もう恋もしないし、怒られるほどの愛もないけれど。日々の生活に押し込められた「自分らしさ」の種が土を押しのけて芽を出し、咲き乱れる。
それは、大森元貴の「ロマンスの香りに さ(地声)そ(裏声)われて 出(地声)会っ(裏声)て(地声) こぉ(裏声)いを(地声)まぁ(裏声)た(地声)知っ(裏声)て(地声) 愛に怒られて」と、地声と裏声を行き来して作り出す、浮遊感。
華やかな衣装をまとった妄想の私は、地上に降り立ち、地面を踏みしめる。
♪ 私色で彩って 誰とも比べないスタンスで
ある日突然花が咲いたらラッキー
そんな調子で生きろエヴリデイ ♪
できたらいいな。
できないけど、できたらいいな。
比べたり、後悔したり、怖がったりの毎日だけど。
♪ 明日を超えて行かなきゃいけない
(言えない 上手くは言えない だからこそ)
笑ってたいよね ♪
心の中の、花咲つぼみ(=キュアブロッサム)が叫ぶ。
「ちっぽけでも、史上最弱のプリキュアでも、みんなの心を必ず守って見せます!その気持ちだけは、誰にも負けません!」
この信号を渡れば、職場は目の前。
今日も、笑顔で。