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【学生に興味をもってもらう方法4】「最初に答えのない質問(問いかけ)をする」(大学講義コラムvol.6)
こんにちは、主にウェブマーケティングのクライアントワークや講師業を生業としている株式会社イーグッドの榎本晋作と申します。
「研修や大学の講義、自社のセミナー(ウェブグッドゼミナール)で
培った"教え方"についてお伝えするシリーズ」
ですが、今回は第6回です。(大学での"教え方"シリーズ。)
*ちなみに、第1,2,3,4,5回は、こちらです。
→「大学講師で一番大変なことはなんですか?」(大学講義コラムvol.1)
→「そもそも、大学の教員(先生)ってどうなってなるのですか?」(大学講義コラムvol.2)
→【学生に興味をもってもらう方法1】「40分前に教室に入り、なるべく1人1人と話す機会を設ける」(大学講義コラムvol.3)
→【学生に興味をもってもらう方法2】「大教室ではパワポのフォントサイズは24pt以上にする」(大学講義コラムvol.4)
→【学生に興味をもってもらう方法3】「講義の最初を質疑応答スライドにする」(大学講義コラムvol.5)
さて、今回は、学生の「興味をいかにして創出するか?」というシリーズの第4弾で
「最初に正解のない質問(問いかけ)をする」
について書きたいと思います。
正解のない問いかけで"気づき"を得て欲しい
(自己対話の機会創出)
▲2018年前期の『eコマースとマーケティング』の最後の講義で出した問いかけ。3・4年生向けの講義を担当させていただいているので、少し就活対策の入った問いかけだと、学生の集中力が上がる(回答の精度が高く)のを「感じます。
私の講義では、最初は時事ニュースの解説と紹介を行うのですが、その次に
「答えのない問いかけ」
を行います。
この大きな目的は、色々とあるのですが、大学生(特に3・4年生)向けだと、下記の目的となります。
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*☆の数=重要度
・"自分オリジナルの回答を出すこと"に慣れて欲しい(学校の○×教育からの卒業)☆☆☆☆☆
・回答を出すプロセスで自分自身と対話をし気づきを得てほしい。☆☆☆☆
・早めの就活対策。(3年生の前期と後期担当なのですが、後期の終わりでも自主的には何もしていない学生も結構多い様子。)☆☆☆
・大教室で180名くらい受講者がいると、講義スタート時は若干騒がしいので、一回静めたい。☆☆☆
・私自身も学生の傾向や声を知りたい。☆☆
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「全部正解!自分の正解は自分で出す」
(誰かに正解を求める思考から、自分で正解を考え出す思考へ)
▲ブランディング論の講義のカスタマーロイヤリティー(ファン度を高める)の回で使った問いかけ。「毎回、将来について考えさせられるのはしんどい時もある・・」という学生のフィードバックがあったので、少し遊び感覚の質問もよく用意しています。
私が、なぜ「問題」と言わずに「質問」や「問いかけ」という言葉を使うかというと、答えはシンプルで
「私が正解を出すのではなく、正解かどうかわからないものを創る思考」
これを育んでほしいからです。
一方的な正解を与えて、テストで書く思考は、ある種、社会でも武器にはなりますが、それだけだと、
「人生を歩む上での壁」
に当たってしまう同世代や後輩をよく見てきました。
だから、半信半疑でかまわないので、
「"自分はこう思う!"を常に言っていい空間」
これを作り、半年間の講義を通して伝えていくことで、新たな体験をしてほしいと思い、この制度を導入しました。
やってみて感じたこと
→「大教室型の双方向講義の新たな形かも!?」
▲結構大きい教室で講義をさせていただいているので、講演形式になりがちな大教室講義。それをなんとか「双方向」にしようと工夫を続けております。
実際にやってみたところ、様々な効果があったり、逆にネガティヴフィードバックもあったり、色々と気づかされるところは多いです。
ただ、一番効果として大きく感じるのは
「学生との対話」
です。
*毎回、書いたシートは提出してもらっていますので、私が確認できる状態。
問いかけ以外にも、質問や、課題など様々なことを講義中に書いてもらい提出させているのですが、そこには
・学生たちの今の悩み/不安
・正直な気持ち
・私への質問
などが、丁寧に書かれています。
その声1つ1つを拾っていくことで、講義は、私の一方的な講義から、双方向なものになっていくのだと、私自身、少しずつですが、手応えを感じることができました。
*ちなみ、いいことばかり書いてますが、
「将来について考えるのは息苦しいし、そんな必要も感じない」「毎回、書かされるのがめんどくさい」
のような結構、本音に近いものも、あったりします。そこに対して「ちゃんと、やれ!」というのではなく、「なるほど!」と捉えながら温度感を合わせていく大切さも、感じることで、講義に活かしていくようにしています。
マーケティングと一緒で、講義の主役も学生!
(独演から共演へ)
▲講義のミッションについて。シラバス作成の際に、講義ごとにミッションやビジョンや目的定義など細かく作り、スライドに毎回入れています。(ブランディング論のスライドを見ると全部ご覧いただけます。)
私が大学の講義で一番大切にしているのは
「講義は私のものではなく、学生のもの。
そして主役は学生である。」
を徹底することです。
得てして、大教室だと「講演(独演)」に近い状態になり
「自分のしゃべりたいことや信じる価値観だけでしゃべる!」
なんてことが簡単にできてしまいます。
それはそれでいいのですが、私自身
「全学生の人生が一歩進む"きっかけ"になる講義」
というのを提供するのが役割だと思っていますので、学生全員の声を吸引していく、このシステムですと、それに一歩近づけるのではないかと思い、導入しました。
たかだか、15回の講義ですので、できることに限界はあると思うのですが、
「大教室でも独演から共演(インタラクティブ)」
これを実現するために、4月からのタームでも、しっかりと、また新たなシステムを導入できればと思っております。
ぜひ、こちらのnoteを読んでいただいた方で
「私はこうしている!!」
というものがあれば、教えていただけましたら幸いです。
最近、noteで発信しているおかげで、結構読んでくださっている方も多くいることが判明し、教育に関する意見交換をできる機会をいただけることが多くなってきました。
ぜひ、教育に対する研究成果をシェアしあいたいので、そのうち、コミュニティとか参加したり、作れたらとも思っております。
本日も、読了いただき、まことにありがとうございました。
次回は、また、このシリーズで何かお届けする予定です!
(ノープランで申し訳ありません^^;)
株式会社イーグッド
榎本晋作
*ちなみに過去の講義も下記にだいたいアップしてますので、ご興味ございましたら。(一部講演スライドなども含みます。)
https://www.slideshare.net/shinsakuenomoto/presentations
何かアイデアがあれば下記の質問箱(peing)までいただけるとうれしいです。
*教え方やウェブマーケティング、大学講義などに関する質問募集しております。Twitterの質問箱にお願いいたします。(匿名で質問可能。お名前などは公開されません。)
*榎本晋作のプロフィールは下記ページにございます。
*講演/講義等の各種・ご依頼は
senomoto☆e-good.jp
はこちらまでお願いいたします。
毎週水曜日にウェブマーケティングのセミナーやっております(毎度、定型とはいえ、お知らせが多くて申し訳ありません・・。)
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