世界の教養:シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」

今回紹介するモダニズム作曲家シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」は、20世紀の無調性音楽と前衛音楽への扉を一気に開け放った作品です。

ソプラノ歌手と小編成の室内楽団による歌曲で、歌詞は感傷的でときには恐怖さえ感じることも多いエピソードを通じて、主人公が暗い夜空で月に寄せる恋情や狂気、斬首などの恐ろしげなイメージを叙述しているそうです。「月に憑かれたピエロ」は、1912年にベルリンで初演されると、聴衆からは大きな非難を浴びましたが、何人もの批評家から高く評価されました

この作品は、シュプレヒシュティンメ(語りと歌の中間に位置する唱法)を最初に使った作品の一つです。シェーンベルクはメモにて、五線紙にXを書き込んでおおよその音高を示し、歌い手に対して、その音を出すのは一瞬だけで音高を維持せずにすぐに下げるように、と指示していたそうです。今まで書かれた中で最も難しい声楽曲の一つとなっているそうです。

無調性にすることで不気味にな感じの曲なるっていうのが、個人的には面白いなと思いました。

参考文献
デイヴィッド・S・キダー, ノア・D・オッペンハイム, 小林朋則 訳, 文響社, 1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365, 2018年, 326p

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