【イギリス駐在】現地校vs日本の公立小学校 ー小5の眼に映るものー
夏休みもいよいよ後半戦ですね。EdubalアンバサダーのKikoです!
イギリスの現地校では先生達もホリデーモードで、日本の学校のような山盛りの宿題はなくリラックスして過ごせていました。
さぁ、4月から日本所属の子ども達よ、宿題を終え、無事に2学期を迎えられるのか……(笑)。
今回は、4歳から10歳までの人生の半分を、イギリスの現地校で過ごした長男の目線からお届けします。
現状
結論からいうと、この4月に小5として人生で初日本の公立小に入学したわけですが、何だか楽しく通っています!
現地での日本の学習サポートについては別ブログで書くとして、言語も環境もイギリスとは全く違う日本の学校で、一体何が彼をハッピーにしているのかを探ってみました。
男子だからか本人の性格か、人と群れることより自分のやりたい事を優先するタイプの息子くん。そしてあまり挑戦を選ばない慎重派。
日本の小学校では、皆んなで同じことをやらなければならず選択の余地はほぼありません。上履きに履き替える(初!)、チャイムの合図で切替(初!)、給食は皆んなで準備(初!)、廊下を並んで雑巾がけ(初!)、掃除当番(初!)。運動会でソーラン節を覚えて皆んなで踊る(初!)とか、リコーダー(初!)で皆んなで合奏するとか。体育のマット運動(初!)や家庭科で裁縫をする(初!)。とにかく毎日が初体験のオンパレード!
細かな決まりの多さに根を上げるかと思いきや……、なんだか“皆んなで”がどうやら彼には楽しそう。イギリスの6年間で味わったことがない感覚!?
集団の中の個
違いを簡単に比べてみるなら
英=個人主義
日=集団の規律重視
通っていた現地校はロンドンの私立小学校(男子校)。生粋のブリティッシュは皆無で、学校では英語、家庭では両親どちらかの母国語を話す子がほとんどでした。イタリア、スペイン、オーストリア、アメリカ、インド、韓国、中国と様々。英語を話すのは学校だけ、なんてことは普通です。更に親の都合だけでなく、校長先生が代わったという理由での転校も日常茶飯事。人は人、自分は自分。国籍も肌の色も宗教も違っていて当たり前の世界でした。
そもそもの性格が、低年齢の時は一匹狼OKな息子にとって、干渉されない状況は合っていたのかもしれません。とはいえ日本ではあり得ない放置状況にブーブー言ってはいましたが(苦笑)。
公園の滑り台だって並ぶ子は皆無。学校のクラスルームでは地べたに座る事が多く、立ち上がる時は決まって誰かに手を踏まれる毎日(苦笑)。「日本人は忍者になれるから踏まれる前に素早く動こう」となだめたものです(苦笑)。サッカーをやるにしても皆んなが点を取ろうとグイグイ出てくるし、もちろんパスなんてしない(苦笑)。人を思いやることよりも自分を出すことが常に求められていたように思います。
今思い返すと、そうやって素の自分を出し合う事で、子ども同士の人間関係(誰がどんなキャラクターなのかが明確化!)が築かれたのかもしれません。走るのはA、サッカーならB、英語はC、算数はD、ピアノはEというように、これはあいつに敵わない、これはあいつに任せよう、という図式が子どもだけの社会で自然と出来上がって、誰に教えられるわけでもなく、子ども達自身が肌で感じたままに相手を認め合うことができていました。
振り返ってみると、小学校の低学年では相手の事はお構いなし、自分を出せなくてもそれも個性、とにかく自分のやりたいようにやってみる時間。逆に高学年になると、学校も意図的に上級生意識を植え付けていたように思います。また、体育の授業はゲームをする時間が組まれ、サッカー、ラグビー、ホッケー、クリケットで他校と戦う機会が多くなります。
さんざん個を出し合ってからのチームスポーツ、これは理にかなっていると言えるかもしれませんね。子ども同士でこのスポーツなら誰が上手い、このポディションは誰が得意だ、などと、もう無意識のうちに意識できているのですから!
得手不得手
そもそもの教育の姿勢も比べてみると
英=得意をのばす
日=苦手をなくす
この得意をのばす意識が子どもの自己肯定感を高めていくのでしょう。苦手をなくすことは大切ですが、やっぱり相応のストレスはつきもの。
息子は泳ぎに対しては自信ゼロ。実際やらせなかったのは親として反省ですが、本人も自信をもって(笑)「泳ぎは不得意」と言っています。でもこれも自分を認めることの一つ。いつか克服をしてほしいと思いますが、そのタイミングは彼の中でこれまでではなかったし、今でもない。きっといつか、必要だと本人が思う時に。
何を重視?
4歳-7歳の息子には本人の性格とイギリスの学校環境が上手くマッチしていたものの、個人主義な生活の中で、思いやりや助け合いの気持ちを育む機会は少なかったように思います。
そんな日常から一変、10歳本帰国。初の日本の公立小学校で同級生の優しさに触れ、仲間意識に芽生え、そんな毎日が小学校生活を楽しくさせてくれたのでしょう。
これまで、やらない、できない、という選択肢が受け入れられていたイギリス。やらない、できない、では済まない学校生活の中で、こうするといいよ、手伝ってあげる、と手を差し伸べてくれる友達の存在。
息子は特別ラッキーだったと思いますが、普通の公立小学校でも「子どもが主役」の学校を目指している学校なだけに、男女の垣根なく仲が良くクラスの雰囲気は最高!初めての日本の学校で、温かくフォローしてくれる友達の存在のお陰で、今の息子があるのだと思います。
また、息子は小学校のサッカーチームに今所属し、そこでも“連帯感”や“団結力”といった、これまた人生で味わったことのない刺激を受けています。自分1人だけがいいのでは通用しない社会、全体の中の一員の自分。
イギリスの良さ、日本の良さ!
今回息子のケースを例に挙げてみましたが、いずれにしても、極論子どもは子どもの中で育つのかな、と感じました。
それでも
今のところ、あのままロンドンで◯◯学校に通って暮らしたかった、と言う息子。(でも戻りたいとは一度も言っていません)。姉のように英語環境に執着しているわけではないので不思議です。その真意は……、おいお探ってみますね。
日本の公立小をほぼ通うことなく、海外の心地良いスいタイルを踏襲して中学生になった長女とは対照的に、小5の息子の眼に映る世界は!?
居心地の良さは自分だけでなく周りやその時々の状況で変わるもの。
また理想と現実には常にギャップは付きもの。
イギリスで日本で、学校で塾でサッカーチームで、今後も初めてを前向きに、色々な刺激を沢山受けながら、自分は何を大切にしたいか、自分はどうありたいか、来るべき中学受験を前に沢山考えて、自分の居場所を決めていってほしいと願っています!