秋の夜長に、心地よい気持ちで眠りを 『舟を編む』
ちょっと気になることがあります。
それは…
本屋さんに行って、文庫本のコーナーへ行く。出版社、作者ごとにずらりと背表紙が並んでいる。
そのとき、あなたはどうやって手に取る本を決めますか?
私自身は、<出版社名>と<作者名>で読みたい本を見つけることが多いです。新潮文庫、ちくま文庫、岩波文庫、講談社文庫・・・はよく手に取ります。一方、この出版社は何を読んでもつまらないと数冊読んで結論を出したところもあります。また、作者の名だけをみて好き嫌いすることも結構あります。
さて。ある時、会社のイントラネットに掲載されていた「私のオススメの本」というのに目を通していた時、ふと目に入ってきたのが題名『風が吹いている』、作者『三浦しをん』・・・「しをん???」
私は、失礼ながらずっと「をしん」だと思っていて、「をしん、ていつ時代。。」と手に取ることのなかった方でした。それが、忘れもしないこの作者との出会い。
正直に言って、どちらもストーリー自体は王道中の王道で、最初にこう進んで行くだろうと想像する通りに話は進んでいきます。
でも、それが決して万人が興味があるわけではないジャンルであること(辞書の編纂と、箱根駅伝・・・人生の中で駅伝は見たことさえなく)、楽しく正しく言葉が選ばれていて、風が駆け抜けるかのような読後感の爽やかさを残すことがちょっと特別。
秋の夜長にさっと読めて、いい気持ちで眠りにつける、そんな本だなぁと思います。
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