<この章ではいいことは一つもない>が持つ、リアリティ
ほぼ日更新のはずが、このところ立て込んでおり、少しご無沙汰しておりました。
有難いことに、少し前から在宅でのお仕事を学びながら少しずつ進めさせており、それに集中していたということと、そもそもばたついていたというのがあります。
ばたついていた理由の一つが、今、香港に住んでいるのですが、
香港が新型コロナ感染対策に非常にシビアで、小学生の長女は今年12月まで学校が空いていたとしても、今年1月から数えて学校には実質5ヶ月しかいっておらず、しかもそのうち4ヶ月は半日授業で学習機会の損失を憂いている中、
来週から、今度は香港全土の幼稚園に、「上気管感染症(つまり風邪)」が流行りだしているといって、2週間の休校措置が取られることになりまして、これはまた幼稚園大好きな次女と私にはなかなかつらい措置となりました。
さらに、この夏から歯列矯正をしていて(突然ですが…)、私の歯に次々と問題が発覚したりしていて、他にも色々あるんですけど、なんだか、「いいニュースがない」という気分になりまして。
その時に、ぽんっと頭に浮かんだのは、うろ覚えで恐縮なのですが、<この章ではいいことは一つもない>という言葉。村上春樹氏による『ねじまきどりクロニクル』の章立てのうちのひとつです。(本は日本に置いてきてしまっていて、電子書籍を買って確認しようとしたのですが、この本にはkindle版はないようでした。。もうこんな前の作品なんですね。)
実際に、この章には、主人公の男性にとって悪いニュースばかりがよってたかって降りかかってきてお気の毒な展開なのですが、この言葉をふと思い出したことで、今の状況を笑う余裕ができたというか、こういうのが、小説のいいところだなと改めて思いました。
そして、この章の次は、確か『いいニュースは小さな声で語られる』といったのだったかと思います。それを信じられるっていうことは、私の財産なんだなと思った週末。
あっという間に11月も半ばですね。みなさまご自愛くださいませ!
よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!