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Kindle出版したい人必見! AI生成文章の著作権侵害リスクと対策

割引あり

近年、AI技術の急速な進歩により、Kindle出版の世界でも生成AIを活用した執筆が注目を集めています。AIツールは執筆プロセスを効率化し、新たな創作の可能性を広げる一方で、著作権侵害のリスクも伴います。本記事では、文化庁による著作権セミナー(令和6年度著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」)の内容を踏まえながら、AI生成文章を利用する際の著作権侵害リスクと、その対策について解説します。


AI生成物の著作物性について

まず、AI生成物が著作物として認められるかどうかについて理解しておく必要があります。文化庁の指針によると、以下の条件を満たせばAI生成物も著作物として認められます(前回の記事で紹介したアメリカのケースとは異なり、日本は寛容ですね)。

  1. 人の創作意図があること

  2. 人が創作的寄与と認められる行為を行ったこと

例えば、AIが完全に自立的に生成したもの(例えば「猫の画像を生成して」など、極簡単な指示でAIに作成させた場合)は、人の思想や感情を創作的に表現したものとは言えないため、著作物とは認められません。

AI生成物と著作権侵害のリスク

「AI生成物が著作物として認められるかどうか」と、「それが著作権侵害を引き起こすかどうか」は別問題です。AI生成物による著作権侵害の判断は、通常の著作物侵害と同様の基準で行われます。

つまり、創作意図を用いたプロンプトを使用して生成していても、意図せず著作権侵害を起こしてしまう...ということもありえます。侵害しないためにも類似性と依拠性について理解しておきましょう。

類似性と依拠性

著作権侵害の判断には、「類似性」と「依拠性」という2つの要件が必要になります。

1. 類似性:既存の著作物と創作的表現が共通しているかどうか
2. 依拠性:既存の著作物を自らの作品の中に用いているかどうか

(出典:令和6年度著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」講義資料

まず、類似性について判定し、類似性が認められた場合に依拠性を確認します。類似性と依拠性の両方が認められる場合、著作権侵害と判断します。

類似性の程度は以下のように分類される

(出典:令和6年度著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」講義資料
  1. 類似性なし:アイデアのみが共通、または創作的でない表現が共通

  2. 類似性あり:創作的表現が一部共通、または完全一致(いわゆるデッドコピー) 

依拠性は、以下の場合に認められる可能性が高くなる

(出典:令和6年度著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」講義資料
  1. AI利用者が既存の著作物を認識していた場合

  2. 認識していない場合であっても、既存の著作物がAIの学習データに含まれていた場合

なお、依拠性について、以下のポイントも押さえておくと良いでしょう。

(出典:令和6年度著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」講義資料

生成AIを利用する際に取るべき対策

AI生成文章の限定的な利用

アイデア出しや下書きとしてAI生成文章を活用し、最終的な執筆は人間が行うようにしましょう。

人間による創作的寄与の重要性

プロンプトへの創作的寄与だけでなく、AI生成文章に対しても、独自の視点や表現を加えることで、オリジナリティを高めることができます

適切な権利表示とAI利用の明記

作品にAIを利用したことを明記し、透明性を確保することも検討しましょう。

困ったときは…

文化庁では、著作権に関する相談窓口も設けているとのこと。

著作権制度に関する情報や、審議会に関する情報、著作権に関する教材・参考資料等については、以下の文化庁ウェブサイトをご覧ください。
文化庁ウェブサイト「著作権」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/index.html

令和6年度著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」講義資料 129ページより引用

まとめ

AI技術の活用は、Kindle出版にトライしたい! と考えている人や、文章作成に苦手意識がある人にとって、新たな可能性をもたらしますが、一方で著作権侵害のリスクも伴います。

とはいえ。

前回紹介していますが、現在のところ、日本では「創作的意図を用いたAI生成物には著作権が認められる」方向性ですから、AIを難しいと思って敬遠するのではなく、便利なツールとして使いこなして、ぜひ時短生活を実現してください!

本記事で紹介した対策をとりいれて、AIを責任ある形で利用し、クリエイティブで安全な執筆をガンガンしていきましょう!

Postscript

もちろんこの記事は、生成AIを用いて草稿を作成して、執筆しています。

作成過程が見たい方は、↓↓↓(有料パート)まで、お越しくださいませ。
草稿執筆に使用した生成AIの種類および、具体的な過程と指示内容(プロンプト)について確認いただけます。

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