日本人の約6割の人が1ヶ月に1冊、本を読まない。
ちょうど先日、文化庁から「令和5年度『国語に関する世論調査』の結果について」が発表されました。この資料によると、日本人の約6割の人が1ヶ月に1冊、本を読まない。
電子書籍も含んでも、6割の人が1ヶ月に1冊、本を読まない
過去の統計データを見るに、令和5年度は突出して「読まない」の回答が増加していますが、「* 調査方法の変更のため、令和元(2019)年度以前の調査結果は参考値となり、比較には注意が必要」とあるので調査方法を調べてみましたた。どうやら、以下の2点が異なる様子。
平成30年度まで
・調査法は面接聴取法
・質問文が「1ヶ月大体何冊くらい本を読むか」
令和5年度
・調査法は郵送法
・質問文が「あなたは現在、1か月に大体何冊くらい本を読んでいますか。電子書籍を含みますが、雑誌や漫画は除きます」
個別面接法は、調査員が調書をもって対面で質問して、回答を記述していく形式で、郵送法は回答を記述するのが調査員ではなく、本人が回答を記述する形式です。
回答が調査員か本人なのかの違いはあれど、それよりも、令和5年度では質問内容に「電子書籍を含みます」とあるのに、1ヶ月に1冊、本を読まない人が約15%増加している点が気になりました(ちなみに、この文化庁の「国語に関する世論調査」は毎年実施されているが、令和元年度から令和4年度までは「1ヶ月大体何冊くらい本を読むか」の質問項目がなかった)。
たった4年。されど4年で15%減。
電子書籍を利用している人は、5年間で15%増加
実は、この調査には、読んだ冊数を問う質問のほかに「ふだん、電子書籍を利用しているか」という質問項目もあります。その回答をまとめると、平成30年度では、8%の人が電子書籍を「よく利用する」、17.2%の人が「たまに利用する」と回答していました。一方、令和5年度では、15%の人が電子書籍を「よく利用する」、25.3%の人が「たまに利用する」と回答しています。
つまり、まとめると、
平成30年度の電子書籍の利用率は合計約25%。
令和5年度の電子書籍の利用率は合計約40% となります。
平成30年度から令和5年度の5年で、電子書籍を利用している人は、15%増加。
しかし、利用率が増加している電子書籍も含んでも、令和5年度は、1冊も読まない人が15%増加。
計算に弱い私は計算できないんですが…、かなりの時間が、スマホを通した「動画コンテンツ、SNS、ゲーム」など、他のコンテンツに取られていそうです。
行き着く先は、二極分化な世界
前回、平成16年、文科省主催の文化審議会答申の内容を紹介しました。答申では「これからの時代に必要な国語力について」がまとめられており、早々たる著名人によって「これからの時代に必要な国語力」が定義され、その力を伸ばすためにも「読む力」に力を注ぐべし、とされていました。
実は今回、気になったので、文部科学省まで足を伸ばして、小学校、中学校の学習指導要領にも手を伸ばしたんです。膨大な量になるのでまとめませんが、基本4技能(読む、聞く、書く、話す)について、学年毎に、詳細な具体的な基準が設けられていました。
まんべんなく基本4技能を上げしようとしたから、読書量が減ったのか??
はたまた、仮に、読む力に注力しているカリキュラムだったら、読書量は上がったのか?
正解は分かりません。しかし、超個人的な肌感覚では、小さい頃から読み聞かせをするご家庭のお子さんは、大学進学率は高そうだし、読書量も多そうです。
でも。
本が好きで、親が言わなくても読む。
そんな、本好きはどの時代にもいるはず。
PostScript
こんだけ偉そうに書いている自分の読書量はどのくらいなんだろうと…と怖くなって、書籍(マンガ、雑誌は含まず)の年間読書数を調べてみたところ、昨年2023年は151冊でした(勝手にログを取ってくれているKindle履歴による)。
Kindleだとラノベ(ライトノベルの略)がメインだから、知識を拡充するコンテンツではないけど、他にも知識拡充目的の本は、紙の本で読んでます。1ヶ月1冊。おぉい…、ギリギリセーフ?
通算165冊くらい。月にすると、13冊前後…と。今年はもう少し、知識拡充の書籍を増やそうと思います…。
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