わりざんの基礎を積み重ねると、脳内にもう一人の自分が育つ。
たしざん・ひきざん・かけざん・わりざん
4つあわせて、四則なんて呼ばれます。それぞれ練習しないとですが、その中でも、イチバンに奥深く、パターンや分野の拡がりが大きいのが、わりざんです。
割られる数、割る数、商、あまり という4つの事柄を理解して操る必要がある。
商の見積もり、だいたい合っていればよい、という「いい加減さ」の技術
筆算で、どこに商をたてるの? という件。
割り切れるまで/あまりを出す/〇の位まで/割り切れなければ四捨五入… など、問題の指示がいろいろ。
自然数どうしで割算すると、答えが小数や分数になることも。つまり数の世界が広がる。
等分除(〇箱に分ける)、包含除(1箱に〇個ずつで分ける)の2通り。
単位量・速さ・割合には欠かせない。
余りによる分類。
などなど、
身に着けるべき基礎と広がりが、他の計算と比べると圧倒的に幅広い。
他の3つは、身の回りの事象と関係なく、ただただ計算練習をしても力がつきますが、割算に関しては、いったいそれはどういうことか? ということを現実の世界とつなげて計算トレーニングしないと、力がつかない。
他の3つは完璧でも、割算の世界を完璧に網羅している、という生徒は、御三家を狙うような超優秀な子も含めて、ほぼいないんじゃないかな、と感じています。
というわけで、割算の基本問題を、優秀な生徒にやらせてみると、間違えるまちがえる…^^;
今回も、光り輝く、力のある生徒たちに、オンラインで基礎計算を解いてもらった時のまちがいをご紹介します。
おこりがちな間違いですね。商の見積もりだったら、むしろ7で正解といってもいい。でも、7あまってるということは、8人で分けるのにあと1個タコ焼き足りなかった、っていうことですね。
7の段や8の段で起こりやすい。九九をただ単純に練習するだけではなく、こういう、形を変えた九九の復習を重ねておきたい。
筆算を書けば、当然正解できるでしょうが、暗算すると、わる「5」と、しちご「35」の脳内の残像から、あまり「5」ってしちゃう。わりざんの情報量の多さ、から起こる特有のミスです。
脳内に、数字がただ並ぶのではなく、筆算が浮かぶようにトレーニングしたい。
普通に割算したら、たぶん間違えないでしょう。でも敢えて、あまりは1と書いてある。そうすると、5×9=45 よりも、5×8=40の方が、キリが良くてなんとなくそれを答にしてしまう。ついさっきの授業でも見かけた…^^; よくあるミスです。9が関連すると計算ミスが増える、という法則の1つでもあります。
こちらも、引き算する数値が脳内で入れ替わってしまい、4-3=1 3-2=1としちゃうんでしょうね。筆算を脳内に、描くのだ!
そのためにも、小3小4での割算の基本筆算をつみかさねた数が、とても大切です。
こちらも、筆算を脳内に描けばミスしない、ですね。
もしくは、20人が4個ずつタコ焼きをもらっているイメージを持つか。
ただ、どちらかというと、20が4で割りきれちゃうので、わかっちゃいるが、「脳が勝手に割算してしまった、という感じでは?」 「そ、そうかもしれません。」
これを、「計算ミス」
と呼んで良いでしょうか? それでは、ミスは減らないと、感じませんか?
脳はむしろ全力で回転して、瞬時に答を出し、間違えた自覚は一切ないはず。脳内に、もう一人の自分を育てていって、「おーい、気を付けろ~」と上手にブレーキをかけられるようにしていくこと。
基礎計算の積み重ねは、そういう「もう一人の自分」の育成に最適です。