ギター初心者を挫折させないために必要な体の構造の知識
ギターを始めたのに諦める人は少なくないと思います。
ギターは、実はある意味で難しい楽器です。
それは、「特殊な筋力が必要」「その筋力をつけるのに時間がかかる」という点だと考えています。それは実はどの楽器にも言えると思うのですが。
例えば、普通の人は、
実はギターを弾くのに必要なのは、「握る力」ではなく、
■左手(押弦する方の手)の指を持ち上げる力:押弦の時の力の調整
→前腕伸筋群
■左手(押弦する方の手)の指を開く力:コードフォームの形成と維持
→掌側・背側骨間筋
■左手(押弦する方の手)の指関節を動かす力:コードフォームの形成と維持
→虫様筋
■右手(ピッキングする方の手)を回転する力:ピッキング・カッティング
→腕橈骨筋他
などの筋力が必要なのです。
しかし、これらを独自に鍛える方法がありません。
そして、時間がかかります。
そして一番きついのが、中指と薬指を持ち上げる「総指伸筋」はくっついている、特に薬指が独自に動かない構造になっています。
それを毎日の訓練で無理やり動かすようにするのです。
私の左の伸筋は、数年間、炎症しっぱなしでした。しもやけのような中からの痒さがありました。実際に中指と薬指を動かす部位が酷かったです。
おそらく普通の人は意識しない程度ですが、実はそれぐらい過酷です。
「ギターを弾くのに力は要らない」というような事を言う人がいますが、それは嘘です。
たぶん意識せずに力をつけてしまったか、握る力だけが必要だと誤解しているのだと思います。あとはローコード程度の演奏力しか想定していないか、です。
毎日弾いて演奏を日常化しても、数年はこれら筋力を鍛え、それを動かす神経の開発の作業になります。
その事を理解するだけで「習えばすぐに弾けるようになる」という誤解を解き、覚悟を促すことになると思います。
この認識は、間口を狭めるかもしれませんが、挫折者は減らせると思います。
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